"ジャパンのヤクザとドリフト対決!"『ワイルドスピードX3 TOKYO DRIFT』

 どうしてこうなっちゃったのかわからない、シリーズパート3!


 アメリカの高校生ショーンは、同級生との自動車レースで逮捕され、少年院に入るか、在日米軍勤務の父の住む日本に移住するかを迫られる。東京の高校に転校して来たショーンは、さっそくそこでもレースに挑むが、ドリフト・キングの異名を持つ男に完敗。だがそこで、ハンという男に才能を見出された彼は、ドリフト特訓を積んでさらなるレースに挑戦する!


 『アメリカン・ゴシック』のケイレブ少年ことルーカス・ブラックが主演! ヴィン・ディーゼルポール・ウォーカーもいないストーリーで、日本にやってきた転校生を演じる。学ランに「ウワバキ」姿が超いけてない! こうして観ると、変な学食とか抜きにしても、日本の学校って狭苦しくて本当に不気味。家も狭いね〜。
 ほんとなら、なんで日本? この主役だれ? となってしまうところだけど、先に『MEGA MAX』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20110707/1309931365)まで観ていたせいで、設定上は時系列的に最後ということになってるこれをその通りの順で観る事ができた。ハンも出て来るから、さほど置いてけぼり気分も味わわずにすんだよ。ルーカス・ブラック君は成長したな〜。でも全く主役の華がないかというとそうでもなくて、熱意だけは人一倍の少年がドリフト特訓に挑む姿は結構ハマっている。


 今回はタイトル通りドリフトにテーマを絞り、立体駐車場を上るレースからクライマックスの山下りまで、工夫して三次元的に見せて来る。ちょっとした犯罪=ヤクザが絡むところも、シリーズのカラーを踏襲。ドリフトの話だけに微妙に『頭文字D』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20110505/1304545518)にも似てるが、まあしようがないか……。今作から後のシリーズ全て監督しているジャスティン・リンの手腕は確かで、盛り上げどころを見せるのも上手い。シリーズとして期待すると肩透かしを食らうが、単発作品と考えればそれほど悪くないんじゃないか。


 日本ロケということで、一瞬だけ妻夫木聡が出て、超やる気ねえ台詞回しを見せる他、ヤクザの親分に千葉真一が登場。英語が出来るから、ということですが。そして、主人公のチームメイト役で北川景子も出ていた。台詞も少ないし、一応名前はあるけど画面の隅の方によく映るというだけで、目立ってはいない。画面隅で車の上に座ってるシーンでパンチラしてたりするが、本人も撮影の時は気づいてなさそう。日本だったら気をつかわれて画面真ん中にどどんと鎮座される方が、こういう扱いを受けているのはなかなか新鮮でもある。


 最後にはあの人も登場して、一応シリーズとしての体裁も整った。さて、次回『ワイルド・スピード GIGA MAX』(仮題)では、ハンさんの代わりにその弟子のルーカス・ブラック君をどうかねじ込んであげてください! それでやっと三大主人公が勢揃いするじゃないですか! お願いします!

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