"メガネはかけなくていいですよ"『シャーク・ナイト』


 鮫映画! 『3D』とタイトルが出るんだけど、今作は全国的に2D上映らしく、いきなり脱力。まあどこもかしこもアメスパで埋まってるからね……。


 故郷の別荘にやってきた女子大生のサラと、その仲間たち。美しい湖に囲まれたその地でバカンスを過ごすはずが、なぜか住み着いている鮫に襲われ、重傷者が出てしまう。急ぎ、彼を病院へ送り届けようとするサラたちだが、さらに鮫が襲いかかり……。


 田舎の湖に遊びにきた若者が、なぜか住み着いている鮫に襲われる、というお話。現場になるヒロインの別荘が、ボートでしか渡れない島になっており、ボートレースのコースのような水上の林を抜けて、広大な湖に囲まれたそこにやっとたどり着く。陽光に照らされたこのロケーションがなかなか美しくスケール感もあって、これはうまく使えばちょっと面白くなるんじゃないかな、と思ったが、主に鮫のスピード感の表現のみであった。


 良くも悪くも普通というか、この作品の特色、ここだけは気合いれました!とでも言うべきものがまったく見えてこないのだよね。鮫が46種類!とか言っといて5種類ぐらいしか見せない東宝東和イズムはまあしゃあないとして、捕食シーンも流血量も大したことないし、3D変換のせいかCGぶりも露骨だし(まあこの作品(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20090921/1253552884)ほどひどくないけどね、もちろん!)。


 黒幕として人間の悪役も出てくるが、こちらも少々パンチ不足で、鮫へのフェティッシュなこだわりも見えないし、ヒロインとの因縁もいかにも添え物くさく後から設定されただけのように見える。このネタだったら、街中鮫を飼育してるぐらいのインパクトが欲しかったところだ。


 無駄に水着を着続けるヒロインなど、撮り方的には乳よりも尻にこだわりがあったかな〜。アップになるとケツアゴなのが気になり、そこも尻へのこだわりが……(ないない)。


 そんなこんなでちーとも面白くないんだけれど、観てる間は別に悪い気もしないというか、松屋で漫画読みながらかっこむいつもの定食みたいな定番感があり、食べ飽きた安い肉だけどとりあえずお腹もふくれて退屈しのぎも出来たのでよしとします。3Dで1300円払ったかというと怪しい。ファストフード映画に出せるのは1000円までですよ。


 しかしラスト、エンドロール後にオールキャストが出てきてラップするのは意味不明だった。意味なんてなかったんだろうが、なんかメタ的な意味があるのかと思って考え込んでしまったね。定食にデザートはいらんの!

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