『新機動戦記ガンダムW フローズン・ティアドロップ 4 連鎖の鎮魂曲(下)』隅沢克之

 ついに四巻目。今回はテレビのその後のデュオと、新たな「デュオ」との出会い秘話が中心。作者はやっぱりデュオが好き、というか、気障なキャラクターが多い中で、息抜き的に泥臭かったり軽かったりするエピソードを書ける素材と捉えているように思える。でも最低野郎だな、こいつ……(笑)。どうなんでしょう、腐なファンの人はあっさりヒルデとくっついてるより、こういう感じの方が良かったんでしょうか?


 そして唯一後継者の現れていない五飛さんが、ついに自ら出撃してしまった……! 機体が「エピオンパイ」というのもトレーズとのつながりを思い起こさせて泣かせるが、彼はこのまま唯一、年いったまま活躍し続けるのだろうか? 4ボーイズ、1アダルトで!? 多分違うよなあ。おそらく新たな「哪吒」と「五飛」に全てを託すような展開が待っていると思うけど。


 空中戦の解釈は結構面白かった……もちろん、例によってアニメと比較するとそうだっけ?と思わせる部分も散見されるが。続いての地上戦、コンビネーション戦闘、まあなんか理屈っぽいし、その象徴が「一人何機の割り当て」だなあ。アニメの映像プラスでわかりやすくする表現と、小説ならではの書き込みが混在してちょっとややこしいことになっている印象。逆に今作をアニメ化すると、なにか『W』らしくなく、ちまちましたことをやってるような印象になるかもしれんね。


 ところで、スノーホワイトワーロックもまだデザインでないんですか。満を持してマントを取っ払うシーンまで溜めに溜める気か。これは楽しみだ……!


 『敗者たちの栄光』も読んでるが、ブースターとか色々とオプションが出て来て面白いね。おかげで、後発のはずの機体より何か強そうに見えてしまうが……。