"今日もいつものパブへ行こう"『ショーン・オブ・ザ・デッド』
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幼なじみで無職のエドと共に、近所のパブ「ウィンチェスター」に入り浸るショーン。三十歳を前にして、親とも疎遠、仕事もやる気なし、ついに恋人のリズにも捨てられる。腹いせにやっぱりパブで飲み明かしたその夜、イギリス中で大変なことが起きているのに、彼はまったく気づいていなかった。翌朝、敷地に侵入してきた「それ」を撃退し、やっと気づく。街はすでにゾンビで溢れ帰っていることを……。
やっと観られた! しかしこっちを先に見とけばサイモン・ペグの『ホット・ファズ』の演技にさらに爆笑できたはずだな、もったいないことをしたぜ……。
思ったよりずっと正統派のゾンビ映画だった。発生、立てこもり、脱出、また立てこもりの流れが自然過ぎる。
二日酔いの寝起きで外に出て、すでにゾンビばかりの街に気づかないシーンのカメラワークが最高。そう、世界が大変なことになっても普通は日常の雑事のことに気を取られてしまうし、テレビにどれだけ重要なニュースが流れてても、チャンネルのザッピングしてれば気づかないことも多々あり。まして酔ってれば……。
ちょっとした日常描写の積み重ねを効かせ、発生後の急展開につなげる緩急も上手い。ここらあたりのストーリーテリングは『ホット・ファズ』にもきっちり受け継がれていたね。
レコード投げるのも良かったが、ゾンビの真似するシーンもおかしかったし、ビル・ナイの存在感が異常(笑)。おなじみニック・フロストの憎めない感じもそうだが、キャラの立て方がみんな良い。家族、恋人、ルームメイト……周囲の人間への接し方、コミュニケーションの齟齬などは、そのまま『スコピル』((http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20110517/1305626160))の同じテーマに直結した部分でもある。
いや〜、ゾンビってほんとにいいもんですね! 新しいものは別に感じなかったが、最近のロメロ御大のように無理に「ゾンビ後の世界」にアプローチを広げずとも、今作のようにゾンビという存在の発生するシチュエーションを丁寧に描いていけば、まだまだいい作品は生まれるように思う。職人同士が技を競い合う「匠」のジャンルとして残っていって欲しいなあ。
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