K-1懐古……ラスベガスが足りねえ

 去年のK-1は決勝大会は凄い盛り上がりでしたね〜。
 しかしね、一興行の盛り上がりだけで騒ぐのは、何か違う気がする。もちろん、盛り上がる方が盛り上がらないよりいいに決まってるんだけどね。

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 谷Pがこぼしてた、開幕戦の「人工的」マッチメイクにより残った8人が争って、結果的に壮絶KOが連発。うん、それはいいんだけど、去年はスタートが開幕戦で、ゴールが決勝という印象しかなかったんですね。溜めがなくて、あれよあれよと言う間に終わってしまった。そこに至るまで、予選のレベルは低く、スーパーファイトもろくになかったから、有力選手の今年の調子も占えず、枠が一つまた一つと埋まるワクワク感もなく、ただ何となくいつもの顔ぶれの16人が揃ってしまった。

 やっぱり予選がないとね〜。中堅クラスをズラリと固めた、シビアなワンデートーナメント。生き残るのはたった一人。これこそがK-1だよ。中でもやっぱり、ラスベガス予選だな。
 あちらは総合ブームだから、アメリカ人がみんな総合行ってしまってるそうだが、またべガス予選が見たい。
 いやねえ、色々問題もありましたよね? パンチの手数重視の判定、妙に厳格なドクター、アメリカ人には露骨に遅いカウント。それ自体どうと言う事もあるし、日本の大会と全然基準が違う、という事も問題。
 でもね……そこがいいんだな〜(笑)。おかげさまで、「日本の人気者」がひいきされるジャッジもないし、そこらへんが相まって、逆にむしろ公平に感じられる。人気者の有力選手でも全然気が抜けない。なにせちょっとの手数で負けにされてしまうかもしれないのだ。フィリオが消えた2001年予選は、ある意味痛快だったね。逆に、その中で勝ち抜いた2005年のグラウベは本当に圧倒的な強さを見せつけてくれたものだ。

 そして、べガス大会では常に衝撃KOもまた生まれ続けてきたではないか! ああ……目を閉じれば思い出すのは、幾度も撃沈されるカーター・ウィリアムス。予選システムの犠牲になり、挑む度にKOされてきたスターになり損ねた男。2004年モー、ウォリス、2005年グラウベ、2006年レコさん……凄絶な被KOの数々。
 そして挑む度に蹴散らされる日本人。常連となり、カーターと幾度も激闘を繰り広げた藤本は言うに及ばず、富平VSスコット・ライティのハイキック相打ちの芸術性は今でも語りぐさ。堀、中迫、そして謙吾……(笑)。もはや全てが懐かしい。

 そして優勝者の顔ぶれも素晴らしかったではないか。最終予選と合わせて毎年二度も開催され、カーターの新星誕生、レミーのフライングハイ、マクドさんの復活戴冠、モーの豪腕爆裂、グラウベの覚醒、カラエフの速射砲が初お目見え、ハリッドの大逆転に、レコさんの再生、ヴィニーのリザーブからの優勝……ドラマが詰まっていた。

 べガス……そこは夢の叶う地。そして同時に人の夢を飲み込む赤い砂漠……。
 日本発日本製のK-1というイベントにとって、このアウェーのスリリングさは絶妙なスパイスになる。「いつもの風景」をちょいと歪めて見せてくれる、世界を感じさせる土地なのだ。
 今年こそ、べガス大会の復活を!

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