『MW』試写会前日
- 作者: 手塚治虫
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1995/02
- メディア: 文庫
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手塚治虫、最大の禁忌作を初の実写映画化……主演は玉木宏、山田孝之だぜ。
日本国内で流出した、某国の毒ガス兵器「MW」。一つの島の住人を皆殺しにした悪夢の兵器。だが、その島で生き残った二人の少年の内の一人は、その神経毒によって悪魔へと生まれ変わった。成長した後、誘拐、殺人、強姦……非道の限りを尽くす彼は、手段を選ばず、ある目的へと邁進していく。
もう一人の生き残りである少年は敬虔な神父となっていた。彼は、悪魔の犯罪をすべて知りながらも、見過ごしにしている。裁きではなく救いを、人としての救済を……だが、それは神父自身にも巣食う罪悪感ゆえだった。あの島一つが滅んだ日、少年を犯し、悪魔を生み出しながら、今もまだ彼との爛れた関係を断ち切れない自分に対しての……。
下記のBLレビューサイトの文章を読んで、ついゲラゲラと笑ってしまった。ぜひご一読を。
http://www.chil-chil.net/topicDetail/topic_id/16/
>私はこれを、実は内部で描かれている、主人公と幼馴染の神父の、激しくも複雑怪奇、実際肉欲をも伴った深遠なる愛想劇こそが、真のテーマなのではないか? と疑っている。 実質この物語を円滑で、表情豊かなものにしている最も重要な要素がこの二人の同性愛であることもまた真実であるし、「ゲイの贈り物」(別冊宝島) では「同性愛世界史と聖書を同じ比重で描き切った超大作」との評論もされている。<
SUGEEEEEEE〜!
手塚治虫、凄過ぎるぜ。さっそく原作漫画も取り寄せて読んだが、残虐非道のピカレスクロマンのカタルシスに加え、BL成分! 大藪春彦なんぞぶっちぎりで超越してしまっている。素晴らしい……!
いや〜、この問題作を映画化とは、思い切ったことをやったもんだよ。玉木宏の誘惑を拒めず、神父服を脱ぎ捨てて獣のように襲いかかる山田孝之……! これは全国のファンも卒倒ものですな。
……んなわきゃねえよな〜!
噂によると同性愛要素はカット、獣姦シーンもカット。まあ他にも諸々がカットされておるのでしょう……。それっていったい何なんだ? そんなものを『MW』と呼んでしまっていいの? こないだの散々文句を言った『カムイ外伝』で例えるなら、カムイが忍者じゃない、というレベルじゃないですか?
……で、そんな抜け殻のような内容で、上映時間は2時間9分! う〜む、これは拷問ではないですかな。全然期待できないなあ。安直な企画で、原作の精神性を骨抜きにした上っ面だけの映像化……まさに病理。
と、がっかりしつつも色々と情報集めしてたのだが、ここで山田孝之のこんなインタビューを見つけた。ちなみにこのインタビューとってるのは女性記者。さては腐……。
http://www.walkerplus.com/movie/report/report6236.html
>「玉木(宏)さんの女の子のファンから
ちょっと嫉妬されるくらいまではやろうかなと」
そんな精神的にハードな撮影のなかでもいちばん苦労したのは、初日に撮った、結城と絡むシーンだったと言う。それは、倒れた結城を賀来が心配そうに介抱するシーンで、ふたりの“濃密な関係性”が描かれる。<
なんだ、ちょっとは(笑)やってるんだ。すべてをモロに描くだけが表現じゃないし、微妙に匂わせる程度でもテーマは表現できるかもね。これを一縷の希望として、明日は試写会に出撃だ〜!
そして……。