"俺が倒せるか!"『ブレイド2』
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フロスト、そして血の神マグラとの死闘から二年。ブレイドは吸血鬼と化して生き延びていたウィスラーを追い、新たな仲間スカッドと共に世界中を渡り歩いていた。そんな彼に、ヴァンパイアの王国からの使者が訪ねて来る。目的は休戦、謎の新種ヴァンパイア・リーパーズの駆逐。ブレイドを倒すために結成された戦闘部隊ブラッドパックと共に、リーパーズとの戦いに挑むブレイド。だが、そこには恐るべき罠が隠されていた……。
お話自体は、ブレイドのキャラクターを描いて、フロスト=スティーブン・ドーフとのライバル・ストーリーにまとめた一作目の方が面白いけれど、アクションは断然こっちだな。
新たな敵リーパーズの登場、それへの対抗手段の模索、明かされる真相、というのがおおまかなストーリーの流れだが、その流れが全てアクションと渾然一体となっている。リーパーズに通用する武器、しない武器、すべてアクションシーンの中で明確に見せられ、さらに次のアクションシーンにつながっていく。途中までの流れで全て武器を使い果たし、最後は素手ゴロで決着戦という流れも正統派だなあ。熱いよ。
序盤はウェズリーがドニーさん直伝のサイドキックや小さな連打など繰り出して、大満足。後半のブレーンバスターも嫌いじゃないが……(笑)。ドニーさん自身も刀を構えたり、空中二段蹴りをかましたりとまずまずの活躍。退場シーンもそんなに無惨じゃなかったので、ファン的には安心でもある。
ひさびさに見直したら、美術もシナリオもデル・トロテイストが全開! 意味の分からないクリス・クリストファーソンの復活、『処刑人』ことノーマン・リーダスの加入、吸血鬼チームにはロン・パールマンとドニー・イェン! アクションは序盤の一部をドニーさんが振り付け! 何これ、超豪華。
後に『ヘルボーイ ゴールデンアーミー』でも活躍するルーク・ゴス演じるノーマックの背負う、そこはかとない悲哀もデル・トロさんらしい味付けですね〜。こちらと吸血鬼のニッサの関係も『ゴールデンアーミー』を思わせるし、明らかに作り手もこっちに感情移入してブレイドさんのドラマが薄い。ここらへんは続編ならではですな。この辺りで秘宝関係から「黒い中学生」という渾名がつけられたのだが、今作の吸血鬼チームとの意地の張り合いがなんか中学の部活的なのも、そこらへんに大きく寄与しているように感じた次第。
いや〜面白かった。ところでデル・トロが当時語った『ブレイド3』の構想は、吸血鬼に支配されて『デイブレイカー』みたいになった世界に行方不明になっていたブレイドが帰還する……という超燃えるものだったのだが、実際に出来た続編では血液農場のような設定が辛うじて活かされただけでがっかりした記憶あり。今からでも遅くない、何らかの続編をまた映画でやってほしいなあ。
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