”桃園の誓い”『レイジー、ヘイジー、クレイジー』
アジアン映画祭八本目!
援助交際で生活費を稼ぐアリスのアドバイスを受け、同じく援助交際に励むようになったクロエ。奔放な二人に対し、内気なメガネっ子のトレーシーはバスケチームのアンドリューに気持ちを伝えられないという悩みを抱えていた。三人で始めた同居生活でも、やがて気持ちのすれ違いが起き……。
パン・ホーチョン脚本! で、監督ではありません。が、普段脚本を書いてる女性ジョイ・ロックが監督ということで、まあいつもそのチームでやってるからポジション変わってもそんなに変わらない、ということだそうだ。『低俗喜劇』や『恋の紫煙2』も書いている。こうして見ると、アジアン映画祭はパン・ホーチョンがすっかりおなじみですね。
今回、もう一本のパン・ホーチョン案件である『爪切りロマンス』が発表後に上映中止となったこともあり、今作は唯一の関連作となった。
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3人の女子高生が主人公だが、てっきりレイジーとヘイジーとクレイジーみたいなあだ名がついているのかと思ったら違ったよ。性の目覚めやドライな肉体関係を描くことの多いパン・ホーチョン作品だが、今作では当然そちらの方にも興味津々な女子高生の青春を描く。援助交際バリバリのアリスに対し、トレイシーは反発しつつもどこかしら興味やコンプレックスを捨てきれず、「遅れてる」自分が歯がゆい。トレイシーと幼馴染だったクロエは高校に入ってアリスに接近し、トレイシーはなおさら出遅れている感覚を抱く。
3人とも家庭に恵まれず、共同で部屋を借りて隠れ場所にしている。が、どちらかというと放任の他の2人に対し、トレイシーは家が厳しく、出歩いては姉と祖母に折檻される。
女子力、というと大雑把すぎるが、年頃の少女たちの性と生、ナマの考え方や感じ方、感情を赤裸々に描き、すれ違ってばかりの青春時代を映し取る。ただ、何かシチュエーションがベタと言うか、AVかイメクラかなんかじゃないの、という展開がちょいちょい引っかかる。トレイシーが金持ちに処女を買われてセックスを仕込まれ、本命に最近覚えたフェラしようとしたら、「そんなに遊んでたなんて!」と言われて振られるなど、なかなかの不条理感ではあるが、露悪的な作り物感が少々勝ってしまっているかな。
そこをヌードも辞さない新人女優の身体性で押し切る……ということなのだろうが、ちょっとみんな美人すぎるような気もしたところ。あるいは女性向けAV的な感覚を狙っているのかもしれない。
これも劇場公開が決まっているそうで、なかなかチャレンジングだな……。フルヌードも多いが、公開時はしっかりボカシが入ってしまうのであろうか?
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