"お母さん、バンドやってます"『しあわせの法則』
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ハーバードを卒業して精神科医になったサムと、生殖学を研究するアレックスは婚約中。ロスのサムの生家で暮らすはずが、家を明け渡してくれるはずだった音楽プロデューサーの母・ジェーンがアルバム制作の遅れで居残っており、共同生活をする羽目に。母と対照的な生き方を選んで来たサムは苛立つが、アレックスは初めて触れる音楽と奔放な生活に興味を抱き……。
結婚を控えた一時期、フランシス・マクドーマンドのおかんと暮らすことになった二人。奔放なおかんに苛立つチャンベ息子。そのペースに巻き込まれてしまうベッキンさん嫁。バンドやってるおかんが奔放過ぎ、しょっちゅう別の男と付き合ってるのが息子は気に入らず、嫁に見せるのもいや。なんだけど、嫁の方がおかんに段々影響されてしまって…….。いわゆる奥さんが義母にいびられる嫁姑問題の逆パターンのように取れる。息子も嫁も潔癖なはずだったんだけど、嫁が葉っぱ吸ってるバンドの緩い雰囲気に混じり始めたのと時を同じくして、堅物なはずの息子も研修医といい雰囲気に。おいおいおい、それじゃあ母親を非難出来ないでしょ、というところに話が流れて行くのだが、要はやっぱり親子で、似た側面があるんだよ、ということに息子が気づいてしまう話。
芸達者な人を集めてるんだが、三者三様の変化を描くあたり、アンサンブル的な楽しみ方は少々薄かった。個性付けが単純で構図がわかりやすいのに対して、人間性や人格の曖昧さ、境界なんて本当はないんだ、ということを描いている話で、それゆえにラストも弱い。ちょっと物足りない出来であった。だいたい、チャンベさんもベッキンも医者や学者にいまいち見えないんだよね。
でもマクドーマンドさんのチラ見せもあるし、ファンは必見ですよ! チャンベファンとベッキンファンは、よほどのことがないかぎりは見なくてもいいかな……。
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