"続編は正しくスケールアップして下さい"『パラノーマル・アクティビティ2』


 あの低予算ホラーに続きが!


 ダニエルは妻のクリスティ、息子の赤ん坊ハンター、前妻との娘アリとの四人家族。だが、新しく引っ越した家でに空き巣が入ったことをきっかけに、不思議な事態が起こり始める。姉のケイティとの過去を振り返り、過剰に怯えるクリスティ。家にセットした監視カメラには、超常現象の数々が記録されるのだが、ダニエルはそれを認めようとしない。真っ先にその現象に触れたアリは、密かにインターネットで真相を探るのだが……。


 さあ、正統なる米版の続編である。1作目は割合好きだったんだが、出来はいかに? 「ほぼ同じ」である、との感想はチラチラと見たのだが……。


 いや、これは逆に劣化してるでしょ!


 一作目のキャラクターを登場させ、整合性を出そうとしているが、そこに尺を多く割いているためか、怪奇現象のバリエーションが減っている。一日ごとに進んでいた時間経過までがおざなりになり、序盤から数日飛ばしが続く。物量低下、見せる過程も省略……。
 後者は同じ技法を繰り返さない、ということで続編にはありがちなことだが、その分スケールはアップすべきだろう。だが、代わりに入ってるのは説明的な描写と後付けの設定。


 家の各所に固定カメラが据え付けられ、手持ち以外にも撮影パターンは増えた。ただ、撮影を主導していたはずのお父さんが霊現象に興味がない(あって欲しくない)と思う現実主義者なので、あまり映像を確認しない。よって、観客が知っている情報を登場人物が知らないまま。情報が共有されてストーリーが展開する体感がなく、そのことによって生まれてくる縛りもないので、非常に漫然とした流れになっている。


 予算はそりゃ増えて、人手も機材も何倍にもなってるんだろう。でもね、それは画面上には映らないんだ。カメラ台数が増えても、それで映画が豪華になるわけじゃないんだ。ストーリー上もそのカメラ台数に依存した、こういう作品だからこその誤解があったのかもしれない。カメラを増やせば、スケールアップするような錯覚……。
 でも、こういうのに必要なのは発想ではないのか? そして、発想がなければ物量を増やすべきなんじゃないか? それも、あくまで画面上に映るものを増やさないと意味がないだろう……。


 これ観たら日本版の『第2章』が、同じ同じと言われた中で、フォーマットを崩さないように新味を出そうとして、かなり小ネタを盛ってたのがわかる。
 早くもパート3が決定済みの模様だが、これは完全に崩壊の足音が聴こえて来ているな。逆に次で破裂するのを期待するしかないか……。

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