”元祖・今度は戦争だ!”『エイリアン2』

 BDで鑑賞。155分の完全版の方。


 ノストロモ号の惨劇の後、冷凍睡眠に入ったリプリー。だが、地球圏に帰還し、探査船に回収された時、すでに57年の月日が流れていた。娘の死を知り絶望したリプリー。あの「怪物」の存在も、会社は理解しようとせず、彼女から航海士の免許を奪ってしまう。そんな中、今や植民星となっていた惑星LV-426からの連絡が絶たれる。会社と海兵隊の依頼を受け、リプリーは悪夢を振り払い、人生を取り戻すために始まりの地へと向かうのだが……。


 「成功した続編」の代名詞とも言われる傑作。長らくご縁がなくて観ていなかった。しかしながら、堪能した! 今となっては、これのあれが『アバター』になったのかとすぐわかるビジュアル。『ターミネーター』のサラ同様に母性によって覚醒するリプリーと、種の存続をかけて激突するエイリアン。二つの母性の対決の綾……。ランス・ヘンリクセンマイケル・ビーンも懐かしい。


 やっぱり『エイリアン』とは全然違うけど、これはこれで面白い!と断言せざるを得ないパワーに満ちている。世界感をそのままにスケールの大幅アップを計り、大アクション巨編に。そうは言っても雑さはなく、すごく丁寧で緊密な作り。安全なステーションから始まり、徐々に緊迫感を高めていく構成は素晴らしい。こんなに長くエイリアン登場を引っ張るとは思わなかったし、それでも一切だれない。そして終盤の畳み掛けも見事。この手のジャンルの教科書にしてもいいぐらい……というか、すでになってるよね。観ながら「基本!」「基本だ!」「基本だね!」と何度もうなずいてしまった。


 最初はあんまりエイリアン動かないかな〜?と思ったが、後半どんどんハイスピード化し、クイーンがのっしのっしと迫ってくるところは、思わず後ろに仰け反ってしまう。暗めの画面にも関わらず、造形の美しさもきちっと見えるようにしてあるし、素材を活かし切ってるね。終盤は美術の美しさにも圧倒される。で、一作目で印象的だったリプリーのパンツ姿も、やっぱり入っている。しかも2回! これはやはりキャメロンとしては入れずにはおれなかったところか……。


 しかし、このラストをあの『3』につなげてしまうのは、やはり悪趣味だねえ。
 『3』『4』、『VSプレデター』と観てるし、キャメロンの後の歩みも知ってるし、新鮮な気持ちではやはり観切れなかったが、それでも最高の映画でした。

特撮リボルテック SERIES No.018 エイリアン・クイーン

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