『ソルト』
試写で鑑賞。
CIA本部に、ロシアからの亡命者が現れた。彼の名はオルロフ。捕らえられ、尋問にかけられたオルロフは、「KAプログラム」……優れた工作員を数十年前からアメリカ人として潜入させる計画の存在を告げる。その計画の最終段階が今日この日、訪米しているロシア大統領の抹殺と共に始まるというのだ。
尋問に当たるCIAのエージェント、イヴリン・ソルトに、オルロフはこう告げる。「大統領を暗殺するスパイの名は、イヴリン・ソルト」……。色めき立つCIA内部。ソルトは本当にスパイなのか? 疑いをかけられたソルトは、包囲を突破して脱出してしまう。彼女の正体は? そして同じく姿を消したオルロフの最終目的とは?
カート・ウィマー脚本作品……なんですが……いや……すごいね……。
いつの時代の脚本だYO!
KGBの放ったスパイがアメリカ国内に! CIA対KGB! ってそのまんま冷戦時代に撮っても通用するじゃないですか! しかも内容はカーチェイス、銃撃戦、肉弾戦、変装……SUGEEEEEEEEE!
なんたるクラシックさだっ!
古き良き時代のスパイ映画ですか? 『M:I:3』あたりが、懸命に奇をてらったことをやろうとして大失敗しているのを尻目に、なんという清々しさ! 演出や金の掛け方こそ現代映画だが、新しいことやひねりはいっさいなし! 見ててバレバレの伏線には、思わず「きたきたきた!」とほくそ笑んでしまう。どんでん返しも古典なら、オチまで古典!
面白いとかつまらないとか以前に、これを今、平然とやってしまう神経がすごいNE!
生身の躍動感を感じさせるアクションを体当たりで熱演するアンジェリーナ・ジョリーは素晴らしい。後半のしゃべらなさは手抜きスレスレだが、存在感だけでもたしてる。逃走劇のテンポも良く、メリハリも効いてる。カート・ウィマーの掲げる「圧倒的に強い主人公」というヒロイン像にも合致する爽快さ。
しかしながら、この古くさい筋立ては、もう「洒落」と解釈せねばついていけないレベルだ。頼むから本気じゃないと言ってくれ!
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