『泣き虫弱虫諸葛孔明 第弐部』 酒見賢一

泣き虫弱虫 諸葛孔明 第弐部

泣き虫弱虫 諸葛孔明 第弐部

 鬼才の描く英雄譚(?)の第弐部が登場!


 めでたく劉備軍団入りを果たした孔明だが、新野城での火計演習など、未だ何の活躍も見せず。彼の荊州強奪案を退け続ける劉備は、劉表の死後、荊州を追われ、長坂波にて曹操軍と対峙することに……。


 いや〜、すごい。今回も大した分厚さなんだが、未だに赤壁のせの字も出ず、やっと長坂の戦いに突入。今回も史実に基づいた独自解釈が切れよく炸裂しまくり、飽きさせない。孔明の奇人ぶりはややトーンダウンするが、代わりに難民を動員する劉備のカリスマ性が爆裂し、よくよく考えればおかしな状況のお膳立てをする。『三国志演義』の裏の裏を読み切り、強引な設定でその流れさえも再現。力技でありながら理詰め。


 第参部はいよいよ赤壁か? 連載中だそうなんで、こちらも期待である。ところで、小説すばるで連載していた評論「マンガたたき台」は本にならんのかなあ……。『分解』も出た事だし、こそっと希望しておく。

泣き虫弱虫諸葛孔明〈第1部〉 (文春文庫)

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分解 (ちくま文庫)

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