トイレ掃除

 まあこんなご時世なので、なかなか仕事は見つからない。月に100時間ほど働いて10万ほど稼ぐのも、それなりに大変である。選り好みしなければまああるのかもしれないが、選り好みしないと待っているのは「密」であり、他人との接触である。大丈夫かな、と思って受けた面接先でも従業員が密集した感を目の当たりにし、いささか引いてしまうこともあった。
 喫煙者の母は「正直、仕事行かず引きこもってくれていた方がありがたい」と思っているようだが、そういう事情や就職戦線の状況を配慮しつつも、今なおフルタイム労働している妻の視線は、家でだらけているオレに対していささか冷たい……。

 「せめて日記でも書くか」の次は、「せめてトイレ掃除でもするか」の巻である。毎週土曜に妻がしていたトイレ掃除を強奪し、毎週金曜日に自分が担当することにした。道具は揃えてあるし、先週までちゃんとやっていてくれたから綺麗なものである。綺麗なものを綺麗にし続ければいいのだから、非常にハードルは低い。

f:id:chateaudif:20200504210415j:plain
『無垢の祈り』より

 最近、別件で二箇所ほど、夢に見そうなほどとてつもなく汚くなったトイレを見たので、それに比べれば天国である。
 『無垢の祈り』という映画のトイレシーンはやばかったですね。

 そんなわけで、とりあえず先々週、先週と担当した。その前の週に妻がやっているところを背後から貼り付いて観察し、やり方も盗んでいる。
 さらに、意識改革をして、今まで立ってしていたところを座ってするようにした。これだけで飛び散りが大幅に緩和されているはずだ(朝一など寝ぼけて癖が抜けず、立ってしてしまうこともあったが……)。この自分がするようになったら、途端に座ってやるとか、何というかすごく嫌らしいなあ、と思う。人にやらせているうちは平然と立ってしてて何とも思ってなかったくせに! まことに申し訳ありません。

 今のところダメ出しも出ておらず、評判は上々である。せっかくなので、仮に仕事が見つかってもちょっと曜日は前後するかもだが続けてみたい、と思っている。


 その妻と、『ゲーム・オブ・スローンズ』をずっと見ている。自分は2周目、妻は初見。やっとシーズン6まで来た。見返すと様々な伏線がきっちりキャッチできて、超面白い。ただシーズン6からはかなり駆け足感が出てくる。