日常

 早いもので、前職である某映画館を閉館に伴い退職してから、二ヶ月が経過した。1997年末に入社し、2008年以降は副業として月に15日ほど通い続けていた職場がなくなり、長年の習慣であった通勤をする必要もなくなった。
 それと時を同じくし、現在も世界中を巻き込んでいる新型コロナウイルス問題が勃発し、日頃楽しんでいた自分の趣味的なことも休業に追い込まれ、大打撃を受けている。

 映画館だった職場通いと並行して、映画館で映画を観ることが趣味だった。が、今や大手、ミニシアター、どこも軒並み休館し、ホームであった某映画館以外でも映画が観られなくなってしまっている。
 一方、15年ほど、週に1〜2回通っていたキックボクシングも、これを書いている現在、ジムが休館中である。緊急事態宣言が解除されるのか見通しは立たず、いつから通えるのか、かつてのようなトレーニングが再びできるかは定かではない。

 今は外出を控えて引きこもり、映画は配信や積みソフトを消化。運動はロードバイクで河川敷を50キロほど流す……。そんな日々を繰り返している。4月はそれに終始し、5月もこのままだとそうなるのか……全く先は見えない。

 3月から、新しい副業を探そうと4社ほど面接を受けてみたが、結果は芳しくなかった。選んだ業種が良くなかったか、中年男性のWワークに対する眼差しはあまり暖かいとは言えないし、募集を眺めていても業種は絞られていて、人気のあるところには生活難の人が殺到しているのではないか……そんな見えないところへの想像も湧いてくる。

 ……そんなこんなで趣味は制限され、仕事も決まらず、目減りした収入と変わらない納税額を眺めてため息をつく毎日を過ごしている。

 怠惰な毎日の中で考えたのが、「せめて日記でも書くか」という、典型的なダメ人間の思考だっ!

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怠惰な日々

 それでも今のこの気持ち、この新型コロナの時代の空気みたいなものを記録することに、何か意味があるのではないか、と半信半疑ながら、Twitterよりは多少長いこの文章を残しておくこととする。しばらく続く予定である。


 4月は妹に『三体』を借りて読んでいた。あまりSFを読まないのだが、過去にソウヤーの『ターミナル・エクスペリメント』を読んだ時のような知的興奮を覚え、痺れる思いだった。宇宙を旅する話もあり450年後、とか気が遠くなるような単位も出てくるが、中国ではこの三部作が2010年に完結していたそうで、10年経ってやっと本邦に届いたのも、宇宙旅行のスパンみたいなもんなんじゃないかと思われ、年月にクラクラする思いだ。

三体

三体

  • 作者:劉 慈欣
  • 発売日: 2019/07/04
  • メディア: ハードカバー
三体

三体