”俺に弾は当たらない”『マグニフィセント・セブン』
『荒野の七人』リメイク!
悪党ボーグの脅威にさらされるローズ・クリークの街。教会さえも燃やされた中、夫を殺されたエマは、街を守るために七人のアウトローたちを雇うのだが……。
『七人の侍』は見たけど、如何せん20年ぐらい前の話だから忘れたな……。ピーター・サースガート演じる悪党に目をつけられて大ピンチになっている村を、デンゼル以下七人のガンマン(弓を持ってる人もいるが……)が迎え撃つ、というお話。
最近、話題沸騰中?のヘイリー・ベネットが無法者によって夫を殺され、事態の発起人として村の代表者としてガンマンたちを集める。まずはリーダー格のデンゼル・ワシントンから……なんだが、同じアントワン・フークア監督の映画では二面性のある不穏な役をやってた彼が、どうも今回は単にカッコいいだけの役をやりたかったのか、時々ある底の浅いヒーローデンゼルそのもの。この時代に黒人がガンマンやってる、ということの危険さなど、キャラに意味付けも相応にあろうはずなのだが、そこをいつものデンゼル力というスターオーラだけで乗り切っているため、単に空虚にしか見えない。
で、またデンゼルには弾が一切当たらないんだよな。後半は死者も出るんだが、デンゼルは物理法則の歪んだ空間に生きてるように見え、かすりもしない。いや、『イコライザー』でさえ、それなりにピンチに陥る展開はあったと思うんだが……。
chateaudif.hatenadiary.com
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また演出がいちいちもったいつけて見えるせいで、この後のクリス・プラットのカードのシーンなども、「キャラ付け」のためにやってるわざとらしい演技に見えてきてつらいのだ……。
この後もイーサン・ホーク、イ・ビョンホン、ヴィンセント・ドノフリオら、「個性豊かなキャスト」が「タイプキャストの定番芸」をダラダラ演り続け、予想されるキャラの役割を一つも超えてこない。
モブキャラと、七人プラスヘイリーちゃんの色分けがきっちりされすぎで、映画内でもなんとなく弾が当たるゾーンとそうでないゾーンがあるように見えてきて、どんどん退屈してくる。撮り方にもメインキャストへの思い入れは感じるわけだが、逆に大仰に演出過剰に見える。
どうもフークワは『サウスポー』にこれとハズレが続いているな。かつての『トレーニング・デイ』も友人が「ブラックムービーの真似しただけ」と散々こきおろしていたが、今作もそういうことなのかもしれないね。
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