”Mr.&Mrs.ヴァタン”『マリアンヌ』
ブラッド・ピットとマリオン・コティヤールが共演!
1942年カサブランカ。ドイツ占領下の地に密かに降り立ったイギリス諜報部のマックスは、現地に先に潜入したフランス人レジスタンスのマリアンヌに接触。夫婦を装い、ドイツ大使を暗殺しようとする。謎めいたマリアンヌに惹かれるものを感じながら、任務を遂行しようとするマックスだが……。
さて、先日アンジェリーナ・ジョリーと離婚したブラピですが、今作の撮影中にマリオン・コティヤール(以下マリコ)と不倫したという噂が流れ、それが離婚の一因となったとも。まあありそうでもあり、なさそうでもあり、実際のところどうなんですかね?とこのゴシップを聞いた時には思ったものだが、さて、実際の映画にそんな影が感じられたかというと……。
主人公ブラピはイギリスのスパイ。カサブランカに潜入し、先に潜入した工作員マリコと組んで秘密任務を行うことに。初対面の二人だが夫婦を装い、謎めいたマリコにリードされて行くブラピ。お互い凄腕だが、明日をも知れない身であることに変わりはない。偽夫婦やりながら準備を進め、段々とバディ感が生まれてくる。
さすがに歳取ってセクシャルな感じが枯れてきたブラピが、華やかなマリコに引っ張られてる感じが逆にハマってて、ああロマンチックだなあ……と思ったのだが……これって『Mr.&Mrs.スミス』に似てねえ……? ジャンルこそ違うし、お互いがスパイであると最初から知っているわけだが、危険さがあるからこそ燃え上がるというムード、嘘まみれの境遇と裏腹な親密さ……。
アンジーとの結婚のきっかけになったあの映画に似た話を、別の女優とやってさらに不倫疑惑……何も決定的なことはないが、ひしひしと不穏な空気だけは伝わってくるような……。これは……まずかったんじゃないかな……。
最初の砂漠の着陸シーンとか、その後の車中のラブシーンとか、砂の動きが綺麗すぎでなんというCGだ!と思ったものだが、いかにも『ザ・ウォーク』のゼメキスらしい絵作り。舞台からして『カサブランカ』なわけだから、恐れ多くて少々仰け反ってしまいそうになったのだが、古めかしいルックを最新CGでパッキパキの絵にしてしまうあたり、実にらしいですな。
chateaudif.hatenadiary.com
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ルックと同じく物語もシンプルかつ古典的で、愛した女と組織への忠誠の間で揺れる男の心情をひねりなく描き通し、奇をてらわずに上質さを追求したかのよう。ひさびさに「神様」じゃないブラピを観られたが、彼自身も往年のスターが演じたような役柄をやってみたかったのかな。
同時期公開の『たかが世界の終わり』とまったく違うワイフキャラを演じるマリコさんも、最後の「決意」のシーンだけで持って行ってしまう、さすがの演技力。もう『ダークナイト・ライジング』のアップになってガクッはそろそろ忘れてあげようじゃないか。
これがコメディ映画だったら、二丁撃ちで刺客を蹴散らしまくった挙句に、あの飛行機で飛び立って終わってたかもな……。嘘まみれの中、たった一つ残る真実、というテーマも含め、少々薄味ですがこれはこれでよし。
ベスト・ハズバンド度:75点(ただしブラピ自身は……)
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