”ビフォア・モーニング”『香港はもう明日』


『香港はもう明日/ALREADY TOMORROW IN HONG KONG』 予告編 Trailer

 アジアン映画祭四本目!

 LAから香港に出張してきたルビーは、現地駐在員のアメリカ人ジョシュに声をかけられ、街を案内される。親密な雰囲気になるが、出会いの夜はあっけなく終わってしまった。そして1年後、スターフェリーで二人は偶然再会するのだが……。

 主演が『ハングオーバー2』の婚約者の人で、相手の男は実際の旦那らしい。中国系だが、あくまで中国系アメリカ人なので英語しか話せず、白人だが10年滞在してる男の方は広東語が得意。その二人が香港の街を歩いて回る二晩。最初の夜は香港島、1年後に再会してその夜は九龍……。

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 このブログの筆者も今年の一月に香港に行ってきたのだが、ほぼ同じコースを通るのな。夜景見て買い物して飯食って飲みに行って……。

JTBのツアー

「フェリーに乗ってヨクバリ! 夜景ハンター!」
オープントップバスに乗って女人街でショッピング!」

ガイドブックるるぶ

「香港の夜は高層階で飲もう!」

……そのまんまやないかい!

 女人街の買い物とか、ベタなツアーすぎてビビる。いや、アメリカ人監督がアメリカ人キャストで、外国人から見た香港を描いた映画なので、まあ当然と言えば当然なのかもしれないが……なんぼなんでも、ここまで定番の観光コース網羅せんでもええんちゃうん。確かに見栄えはするし、だからこその定番だとも言えるのだろうが……。

 短時間に限定された中、恋愛を意識したおしゃべりをしながら名所を回るという構造、完全にリンクレイターの『ビフォア』シリーズフォロワーで、オチまで「ああ……サンセットね……」という感じでそのまんまである。当然だがセンスは本家に及ばず、イーサン・ホークのうらぶれ感もないのでパンチに欠ける。今作自体は悪くないと思うが、こうまで臆面もなくやられるとちょっとどうかな、となってしまうところ。

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 ただ『ビフォア』シリーズを名所案内的な「街」を主人公にした映画と捉えると、映画の舞台としての香港という街は、かのシリーズのウィーンやパリにも負けてないポテンシャルがあるなあと改めて感じさせられた。ジョニー・トーの『スリ』や『PTU』がすでにあるしな。いやあ、イーサン・ホークジュリー・デルピーがあの下町で蟹食ってたら、それはすごいいい絵だと思うよ。そういう意味で、似たような手法で比較対照して香港の魅力を発揮させる、という「お題映画」として見たら面白いのかもしれないね。

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 時間合ったから見た一本で、まあまあかな……という出来でした。