”静寂の世界”『ザ・トライブ』
手話映画!
聾唖者の寄宿学校に入ったセルゲイ。だが、そこは裏の顔を持ち犯罪や売春が幅を効かせる暗黒の世界だった。弱肉強食の中、意外な腕力を発揮し、下っ端ながら「族」(=トライブ)の一員として認められるセルゲイ。ボスの女であるアナが売春をするのに付き添うことになるのだが……。
手話でのみ会話が成立しているファンタジー世界……じゃなくて、ウクライナの聾学校が舞台。教師も学生も用務員も全員、手話で会話する。一応、聾唖者でないキャラクターも出てくるのだが、警察官やトラック運転手などの彼らとは会話シーンなし。たまにいわゆる「ガヤ」で声が聞こえてくる程度……。
しかし、実験作らしい、ということしか知らずに行ったんですが、こんな極道映画みたいな話とは想像もしておらなんだよ。聾学校にやってきた主人公はいきなり爪弾きにされいじめまくられる。寮では各部屋を回るごとに追い出され、寝る場所もない。見た目がいけてないせいか、女にももてないし……。さらに、学校内は犯罪の薬物の温床になっており、麻薬売買や売春の斡旋が常態化していることも明らかに……。
当然、主人公はそんな「美味しい」ところにはタッチできないはずだったのだが、構成員の欠員と、意外な腕っ節の強さを買われて下っ端として加わることに……。
さすがに情報が入ってこなくてつらい……! いや、余計な情報を入れずに見ようと思ってあらすじも見ずに行ったのよね。予備知識一切なしでも映像とニュアンスだけで理解できるかな?と思い……。まあ大筋は段々つかめてきたが、やっぱり細かいところは分かりづらかったところも多い。何をしに並んでるかわからず、パスポートの登場を見てやっと役所かとわかったり、大量のトラックが並んでいる場面もなかなかぴんとこなかったりしたが、これは現地の情報を持っている人はすんなり理解できるところなのだろう。たぶん、だいたい理解できるように撮られてはいるはずだが、ちょっと寝てしまったので余計にわからなくなってしまった。
とはいえ、後半から加速度的に面白くなってきて、主人公が客を取ってる女にハマってしまい、ついには親分たちにカチコミをかけるあたりはまさに極道映画。音のない世界という設定を最大限に生かしたクライマックスも良い。
うーむ、ちょっとあらすじと背景ぐらいは調べてから観れば良かったか。あまり情報シャットアウトをするのも弊害があるな、と思ったのでした。
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