”あたし、怖い?”『アナベル 死霊館の人形』
『死霊館』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20131102/1383390814)スピンオフ!
出産を控え、幸せに暮らす夫婦。だが、その夜、惨劇は起こった……。カルト信者が隣家を襲い、夫婦の家にも侵入してきたのだ。通報によって駆けつけた警官によって悪魔崇拝者は射殺された。だが、彼らは家にあった人形に、ある呪いを施していた……。
ジェームズ・ワン監督の『死霊館』は、若干パンチに欠けるものの丁寧に作られた良品だったと思うが、その中で異彩を放っていたのが恐怖の人形。いや、これは売り物にならんレベルだろう、という怖さのお顔をしていて、なんでこれが流通しとるの……と思わせてくれた代物。でもそのお顔こそがホラー映画ではピンになるほどの売りになるんだ! ということで、今作はその人形が呪われるきっかけとなったお話。
しかし、これがビックリするほどつまらない! まずは最初のショックシーンとして、隣家の老夫婦が襲われて惨殺され、主人公一家のところにも悪魔崇拝者夫婦が乱入してくる、という、いきなりの肉弾戦。で、その悪魔崇拝者アナベルによって人形に呪いがかけられ悪魔が呼び出された……。う、うーん、このアナベルは隣家の老夫婦の娘だったのでそこを襲ったというのはまあわかるんだが、なんでわざわざ隣まで襲ったのか、たまたまきたらそこにちょうどいい人形があったのか、偶然にしてもやってる意味がわからない。
実在アナベルは悪魔を呼び出す儀式をして死ぬのだが、この後は子供アナベル、大人アナベルが入れ替わりながら出現し、さらに黒い悪魔さんも登場。プラス人形ということで……。えーっと、せっかくメインビジュアルになってるのに人形のキャラが立っていないのが致命的。人形、アナベルの亡霊(大人と子供の両ver)、黒い悪魔さんと、三体の役割分担も何もない。
やってることもポルターガイストみたく、物が勝手に動いたりコンロの火がついたり……いやいや、手口が古いよ。音をドンとでかく出して怖がらせるやり口もすぐに底が割れてしまう。おまけに人もろくに死なないと来たら、刺激のかけらもない。
これだけ面白くないホラーはひさしぶりで、『死霊館』と『インシディアス』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20110904/1315064133)の悪いところだけを合わせて、さらに三倍くらいに薄めたようなダメさ。
また役者がショボいんだよな……。ヒロインのアナベルなんとかさんがアナ・ケンドリックのパチもん、その夫がジョエル・キナマンのバッタもん、そして助けてくれる書店の女がヴィオラ・デイヴィスのニセもんということで……オチのつけ方もまさかそれはやらんだろ、と思った代物で、座席から滑って脳天から落ちましたね。
まあ単につまらないホラーなだけで、許せない云々ではないですが、とりあえず今年の暫定ワーストということで……。
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