今月のジャンプSQ(ネタバレ)『テニス』『クレイモア』


『新テニスの王子様
 アメリカ代表最後の一人を決めるトーナメント勃発……と思ったら、野試合で全部片付けました、というスピード展開。いや〜、どこの国にもマグナムさんのような咬ませ犬がいるんですね。リョーマが圧勝で代表入りだが、これは高校で、アメリカには中学生代表はいないのかな? まさか日本だけが二チームなのか、参加させるか否かは選択権があるということか。
 クラウザーさんがどこの国の人かも、そう言えば謎のままか。ファンブックに書いてたかな。


 ところで、このコーナーどうすっかな。とうとうクレイモアも終わったし、そもそもテニスのためだけにSQを買い続けるのか。ちょっと考える。


クレイモア
 ついに大団円……!


 中盤からミリアvs組織、クレアvsプリシラという二つが物語の軸になったけれど、それぞれが別個に終わるような形になったのが、少々散漫になった原因だったな。プリシラさえも組織の実験の被害者だったのだから、順番的にはやはり最後に組織が倒されるべきだったのでは、と思うが、キャラ付けの強さの面が際限なくエスカレートしていたのでこうなったか。バトルものとしてプリシラと主人公チームの実力差が最後まで大きく開きっぱなしだったのが、後半にやたらと漁夫の利を得る展開が多いという御都合主義を招いたのも苦しかった。


 ただ、クレアにしろミリアにしろ、後から心情を吐露することが多く、それすらも全てではないことがキャラ付けとして徹底されていた。それは組織に改造され利用されてきた戦士だから他人に対する不信感や自責の念が強い、という表向きの理由以上に、その秘密主義と言うか、単なる無口と言うか、ほいほいと本心を言わないというところにこだわりがあったのかもしれないね。それが、あるいは作者の作家性の一部なのかもしれない。『エンジェル伝説』も顔が怖すぎる男のディスコミュニケーションものだったし、合わせて読めば理解が深まるのではないか。
 クレアもミリアも勝手なことをして失敗→諌められ協力して敵を倒す、という流れになっていて、それは少年漫画なら序盤で解消されるべき欠点の定番である。読んでるこちらは終盤になってまだそんなことやってるのを何とも迂遠に感じていたのだけれど、これはおそらくなんともし難い体質で、ついつい出てしまう部分であり、作者自身が一筋縄で解消してはいかんと思っているのではないか。


 最後のシーンも、ラキはクレアに対して正直初めて「うざっ! なにこのもったい付け方……!」と思ったのではないかな。全然治ってないよ、この肝心なこと言わない性格! クールを通り越して中二だよ! 彼ももう大人になったし、あまり気が長いとは言い難い性格だから、もうちょっとはっきり物言えよ、とそのうち怒りだすのではないか。


 でもイレーネは生きていて良かったなあ。両腕復活して、「真・高速剣を見せてやる」とか言い出したらどうしようかと思ってたが、お話には関係ないところに留めておいて実は生きていた、というさじ加減は良かった。黒めがねの人も、ああして肝を冷やさせることこそが一番効く、という気がするしな。
 そしてタバサ亡き後の副官には、ラフテラが入ったか……何気に美味しいではないか。そしてなぜかシンシアとシドにフラグ……? と、ということはガークとユマが……(ないない)。


 色々文句もあったけど、終わって一気読みしたらまたちょっと印象も変わるのではないかな。何にせよ、連載お疲れさまでした!