”野獣は荒野へ帰る”『リディック ギャラクシー・バトル』
『ピッチブラック』サーガにまだ続編が!
ネクロモンガーのロード・マーシャルとなったリディックだったが、部下の裏切りに合い、見知らぬ惑星で目を覚ます事に。故郷の惑星フューリアと偽られ、怪物で溢れた危険な地に置き去りにされたのだ。傷を負いながらも危険地帯を脱出しようとするリディック。野生の獣が彼を追うが……。
『リディック』が興行的に失敗したため、もう続編はないのだろうなあ、と思っていたのだが、何だかんだで『ワイスピ』シリーズも好調なヴィン・ディーゼル、もう一つの看板シリーズがついに復活しました。回を重ねるごとにアットホームになっていく『ワイスピ』もいいんだけど、やっぱりこれでしょ!
『リディック』でネクロモンガーの王となり、酒池肉林を楽しんでいたリディックだが、気が緩んで配下に裏切られ、故郷と偽られて辺境の惑星に置き去りにされてしまう。そこは、奇怪な怪物の巣食う危険な星で……ということで、一応前作ラストを踏まえつつ、第一作へと回帰する作りなのは一目瞭然。
『ピッチブラック』を初めて見た時は、「だ、誰だこのハゲは!? ハゲなのに超カッコいい!」と度肝を抜かれたものだったが、今回はもはやアイコンとなったハゲ=リディックの無双っぷりを楽しむ映画に。
前半は過酷な環境下でのサバイバル。生き抜くために犬を手なずけ、怪物と渡り合うリディック。後半は彼に誘い出される形でやってきた賞金稼ぎの視点で、まるでリディックの方が迫る怪物であるかのような描き方を見せる。並ぶ者なきマッチョ・ヒーローであると同時に、馴れ合いとは無縁のアウトローでもあるリディックの二面性を見せる演出で、当初は敵とも味方ともつかない存在であった『ピッチブラック』の時の彼をなぞって見せる。
まあ残念ながらかの映画のような異様な緊迫感はなく、怪物が大量に現れる後半も、なんだかセルフオマージュのようで、いかにもシリーズ三作目という印象ではある。一作目のある人物と血縁、という人が出てくるあたりも含め、なんとか一作目を想起させようという仕掛けでいっぱいなのだが、やればやるほど違いも目に付くことに……。
しかしまあそんな中でも、この名キャラクターの外さないキメキメの活躍を楽しむ分には十分な映画で、嵐をバックに丸腰で登場するシーンには爆笑。ところどころでやっぱり『ピッチブラック』は面白かったよなあ、と懐かしむこともできるんだからまあいいではないか。
三部作まとめてBDで出してくれんかなあ。今作は大ヒットしたそうで、まだしばらく続きそうではあるが……。
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