"魂は島根へと還る"『鷹の爪GO　美しきエリエール消臭プラス』

　劇場版第5作！

　ネマール帝国の侵略を受け搾取されるゴゴゴ星。かつてはゴゴゴ星軍の司令官だったオキテマス・スマイルは、ネマール戦における惨敗により、降格の憂き目にあっていた。それでも娘のヨルニーにいいところを見せたくて、まだ司令官のままだと嘘をついているオキテマス。だが、ネマールに反乱軍のアジトを知られるという失態を重ねてしまう。名誉挽回のため、ゴゴゴ星を救うと言われる「蒼き星に住む尖った耳の男」を探しに行くのだが……。

　最近のテレビシリーズはチェックしていなかったが、あの幽霊のキャラ以外は、それほど関連はなかったっぽいね。『3』（http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20100118/1263788310）は博士主演ということで、奇妙なスケール感と変化球感覚があったが、今作は１〜２作目に回帰した感あり。総統と吉田君をメインに据えて、『トランスフォーマー』オマージュのストーリーが展開。今回で初めて劇場版に触れる人に向けて王道で勝負した……と言っていいのだろうか。
　いや、でもそれぐらいに新鮮味はなかった！　バジェットメーターが横向けになっていたぐらいで、プロダクトプレイスメント、タイトルの辻褄合わせなどのギャグも、すべてが使い回しではないか！　その癖、告白タイムはなかったりで、ちょっと古参ファンからすると物足りないな……。

　大物ゲストやスペシャル映像もあるが、これも『3』ほどドラマの中で活かされてる感がなく、そこもちょっともったいなく感じられたところ。中盤までほぼ画面を占有する勢いだった河北麻友子演ずるヨルニーというキャラが、突然主役に舞台を譲るかのように存在感を消したあたりも気になった。いや、正直、出てる間は結構うざかったから、別にいいんだけど……。

　まあしかし、もはやこれはこれでいいか、と言う気もする。すでに様式美と化した演出で、いつものあいつらが観られたらもうそれでいいではないか、ということだね。もう少し、何か新規のギャグの上積みがあれば言う事ないのだが……。

　……と、そんなことを書きながら、さっき入場者特典の『鷹の爪シックス』DVDを観たら、これが一番ゲラゲラ笑ってしまったわ。やっぱりもうマンネリ化してきたバジェットメーターの自己破壊をこんなところで！　これはDVDの特典だった『4』よりも、かの無料で劇場上映した『ハイブリッド刑事』（http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20110125/1295879920）の系譜に連なる一本でしたね。