"円盤に回し蹴り!?"『UFO 侵略』
ヴァン・ダムが主演じゃない?映画!
バーで出会った新しい恋人や友人たちと同じ家で過ごしたマイケル。目覚めた時、電気や電話が止まり、街の上空に巨大な円盤が現れる。農場で暮らす叔父を頼って街を離れようとするマイケルたちだが、人々は不審を抱き合い、事態は次第に混迷していく……。
一日一回のみ、「劇場公開」と箔をつけるのが狙いなのが露骨なことになってますが、観に行って参りました! まあしかし、ひどい映画だった! まずは場つなぎに時系列を前後させているかのような意味不明の構成と、無駄に回って何が映ってるのかわからないカメラワークにクラクラ……。おかげさまで、はるかに出番は先であろうヴァン・ダムが序盤からチラチラ登場するのだが……。
主演はピアーズ・ブロスナンの息子とヴァン・ダムの娘ということで、二世共演状態。ヴァン・ダム娘は『ハード・ソルジャー』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20121127/1354017953)でも脇役で登場して死んだけど、今作ではメインですね。まあヴァン・ダム息子よりは華がある……と思うよ……。でも、なんか作ってるっぽい整い方だけどね!
ブロスナン息子以外にも、その友達という設定のキャラ三人が登場して三角関係をやってたりするのだが、いかにも人数水増し感が漂っている。UFO襲来のパニック状況ははなから予算の問題で描けないのはわかっている。代わりに『盗まれた街』のような、周囲が信じられなくなる人間同士の不信感の話を入れたかった……のだろうけど、パニック状況にも中途半端に色気を残したので、ただでさえ安い予算がさらに分散し、よりチープな方向へと爆進していく。さらに、一応ヴァン・ダム御大が顔出ししてくれているんだから、格闘シーンも必要だろう、ということでまた無理矢理入れたりして……!
しかしまあ、こうして部分部分のダメさをあげつらうよりもむしろ、「全体的にダメ!」と言いたくなる完成度の低さが素晴らしい。ラストのUFOのシーンもすげえ! 80年代の特撮かよ! 『スカイライン』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20110621/1308542462)さえも遥かに凌ぐ低予算ぶりがまざまざと見せつけられ、悶絶しました。
でも予算だけの問題じゃないよね。監督も下手過ぎ……。最後の集合シーン、あまりにカットを切り替えて、部屋全体でなく一人一人を交互に映すので、その場にヴァン・ダムはいないのかと思ったよ!
金はない、スタッフもヘタクソ、話も無茶苦茶ということで、ひさびさにひどいものを観たわ〜。見どころはヴァン・ダムvs宇宙人かと思ったら、ヴァン・ダムvs娘になったところ! 娘の使う技が、それ以前に出たキャラの技と同じで、ああなるほど、と、やっと思わせてくれたのだが、そこの演出もモタモタしてたなあ……。
一応、主人公が不在になる『SF ボディ・スナッチャー』みたいな落ちにしたかったのだろうなあ、と思うが、それなら低予算UFOが余計だろ、という話でありました。『ゼイリブ』を百回見直せよ、というね。あ、宇宙人の設定は、ちょっとX星人も入ってたかも……。
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