"その動画だけは見て"『恋の紫煙2』

 
 大阪アジアン映画祭六本目!


 喫煙所で知り合って恋に落ちたチョンギウとジーミン。だが、些細な喧嘩で同棲を解消してしまう。友達の事業を手伝うべく、北京へ引っ越したジーミンは、機内で痴漢から客室乗務員のヨウヨウを助けていい仲に……。それから遅れて、チョンギウも転勤で北京へ行く事になるのだが……。


 これもパン・ホーチョン監督作。『低俗喜劇』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20130319/1363687733 )と脚本家も同じ。舞台挨拶の時に「前作を観た人はいますか?」と聞かれたが、ほぼ満員の劇場で数人だった……。そりゃそうだよ、公開もしてないし、三年前の東京国際映画祭でやったきりやん。輸入盤しか観る手段がないよ。そんなわけで、前日譚をまったく知らないままパート2を見るという、世にも不親切な状況に……。


 喫煙所で知り合ったミリアム・ヨンとショーン・ユーが、紆余曲折あって同棲を始めました、というのが前作までの粗筋、らしい。しかし、ちょうど喧嘩したところで、ショーン・ユーに北京への転勤話が持ち上がり、同棲解消。二人は別れることに……。だが、数ヶ月後、ミリアム・ヨンにも北京への転勤の話が持ち上がり、一転して元鞘の可能性が!  ショーン・ユーはスチュワーデスと付き合い始めており、ミリアム・ヨンも会社経営の男と知り合ってしまうのだが、ずるずるとつかず離れずの関係に陥る二人……。
 なかなかもやもやと歯がゆい話で、スッチーも社長も全然悪い人らじゃないので、もうそっちと付き合い続けたらいいやん、と思うのだが、そうはいかないのが恋愛の難しさ。
 別れて初めてわかることがあるんだねえ。「失って初めて気づいた……!」というのは、単に失くすと惜しくなっただけ、ということもあるが、そうではなく、相手によって自分の人間性や生活習慣などが大きな影響を受けていたことに気づく瞬間。ちょっと『ラブ・アゲイン』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20111202/1322824160 )ぽい、より戻しもの。ソウルメイトなんて安直な言葉に逃げないので、ずっと真摯だが。しかしショーン・ユーは去年の『二番目の女』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20120319/1332152857)に続いて、またいい加減な男の役か!


 本人役でイーキン・チェンが出てきたりするが、これ、キャスト決まってない時点で脚本に書いてたのだろうか。図太いな……。「動画」云々の台詞があったが、今回のクライマックスの動画と同じく、前作でも何か動画が使われたのであろうか。そこらへんもやはり観たかったなあ。面白かったけれど、やはり前作を観ておきたかった……。しかし、そんな前編を見られないままの上映となりましたが、見事、観客の熱い支持を集めて「観客賞」を受賞しました。おめでとう!


 終映後は、去年挨拶しそこねた「ラム・シューアイコンの人」ことmicchiiさん(http://micchii.blog4.fc2.com/ https://twitter.com/micchii520)と、ペップさん(https://twitter.com/josep_guardiola)にご挨拶。micchiiさんが新幹線に乗る時間まで茶をしばきつつ、映画の話などしたのでした。その後は実は意外なつながりがあったペップさんに車で家まで送ってもらいました! 超いい人!

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