"十年目の真実"『グレイヴ・エンカウンターズ2』


グレイヴ・エンカウンターズ2【Blu-ray】

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 まさかの続編公開!


 実在した心霊番組『グレイヴ・エンカウンターズ』。大学で映画作りをする若手映像作家アレックスの元に来た一通のメールは、後に編集されて映画公開されたその番組が、実話であることを示唆したものだった。製作プロデューサーに直撃取材を試み、行方不明になっている番組のホスト「ランス・プレストン」の生家に赴くアレックス。ついに彼は、舞台となった廃病院を突き止めるのだが……。


 日本ではいまいちヒットしなかったらしい前作(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20120609/1339235087 )のせいか、今回は「未体験ゾーンの映画たち2013」の一本として公開。この企画、昨年が地雷映画ばかりだったので、今回も心配な出来かとばかり思っていましたが、意外や意外、結構面白かったではないですか。


 前作からおよそ10年後、前作の映像が編集されて映画化されて以後、という時代設定。ちょっとメタな要素も絡めつつ、映画監督志望の学生が、実際にあったと言われる前作の事件を解き明かそうとする流れ。
 『ハングオーバー!』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20100725/1280029286 )のパロディのようなことをやったりして、なかなか例の病院に行かないのだが、そのおかげでちょっと肌触りが違う。前作と違うことを、と常に心がけている感じで、恐怖演出も焼き直しに収まらず、色々と新しいこともやっている。
 反面、前作の大きな特色であるあの人の復活というサプライズも仕込んでいるあたり、ファンサービスも忘れていない。『REC2』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20091109/1257777287 )のように突然スケールを膨らましすぎた感もなく、続編としては正統進化と言えるのではないか。


 作中で前作を「特殊効果をくわえています」と強調していたが、実はあくまで実際の映像そのままである、と設定されているところも最後に効いてきて、嫌な余韻を残してくれる。メタな味付けもうまく機能させているね。


 しかしながらすべてが斬新というわけではなく、本国では先に公開されている『クロニクル』からの影響も大きいという話で、そちらも早く見たいものである。

グレイヴ・エンカウンターズ【Blu-ray】

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