"この子どこの子?"『パラノーマル・アクティビティ4』


 まだまだ続くよ! シリーズ四作目!(TOKYO NIGHTというのもあったけど……)


 2011年、「あの惨劇」から5年後……。両親と幼い弟と暮らす少女アレックス。ある日、向かいの家の子供ロビーを家で預かることになったが、ロビーの深夜の奇行が偶然カメラに収められる。アレックスはボーイフレンドのベンと共に、家中のパソコンを使って録画を始める。そこに映ったのは、この世のものとは思えない奇怪な映像だった……。


 さすがにネタ切れ感がシリーズ全体にひしひしと満ちているのはもはや言うまでもないのだが、今回は現代、2011年の話。ティーンのカップルが主人公なので、PCのWebカメラを使って撮影する展開。家中のパソコンを使ってこっそり録画するという設定は、ちょっと考えたな、という印象。さらに、Skypeで通話しながら移動するため、今までの前方を捉えたショットではなく、撮影者を写す逆向きアングルになるのが新鮮。視界が限定されると、心の準備ができないので、それだけでもハラハラするものである。


 しかしまあ、そのあたりこそ新鮮だったものの、どうにも後が続かない。さすがに演出がマンネリだからか、ストーリーにやや比重が寄ってるんだが、超常現象自体よりも「お向かいの家族がキモい」というところに力点が流れている。それはそれで新たな展開に期待したいところだったのだが、『2』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20110222/1298373468)でさらわれた子がなんで養子になってるのかや、冒頭の入院云々の回りくどさもさっぱり意味がわからない。


 描写はマンネリ、ストーリーは転がらないとくれば、これでメリハリが生まれるわけがない。結局、シリーズ一、平板な展開になってしまった……。『3』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20111116/1321430897)みたいなフィルムやビデオテープの質感で生まれる雰囲気もないしなあ。悪魔関係の描写もおざなりだし、どんどん灰汁がなくなってきている!


 今回はヒロインがティーンの少女ということで、結構可愛い子を使っていた。もうこれはこの子を眺めるしかねえ!という勢い。しかし、お兄さんの好みとしては、ちょっとお色気が足りなかったかなっ! 寝姿に長い長いバスタオル姿ぐらいでは、ピクリとも動かんのだよ!
 セス・グリーンを若くしたような彼氏が、もっといやらしく隠し撮りして迫ったりしたら面白かったかなあ。要はここらへんもぬるい。もうすべてがぬるくゆるい。


 盛り上げ不足なままクライマックスに雪崩れ込んだので、あれっ、となってしもうたわい。さらにおまけ映像で置いてけぼり感も掻き立てられたね。最後はどうやらメキシコに行ったっぽかったが、スペイン語つながりで『REC』シリーズとコラボしちゃってもいいんじゃないかな。あっちはどうやら次で終わるようだし……。

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パラノーマル・アクティビティ2 [Blu-ray]

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パラノーマル・アクティビティ第2章/TOKYO NIGHT [Blu-ray]

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パラノーマル・アクティビティ3 [Blu-ray]

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