"俺の家に入るんじゃない"『ドリームハウス』


 ダニエル・クレイグ主演作! なぜか『007 スカイフォール』の一週間前に公開ということで、便乗なのかなんなのかよくわからないところ。


 編集者として長年勤めた会社を辞めたウィル・エイティンティン。妻と二人の娘と共に郊外に引っ越し、そこで作家へと転身するはずだった。だが、引っ越した先のその家で、母と娘の三人が射殺された事件があったことを知る。容疑者として逮捕された父親が、精神病院へと入り、まだどこかで生存していることも……。果たして、家の周囲を不穏な影が動き回る。事件の真相とは? 家族を守ろうとするウィルを襲う衝撃の事実とは……。


 先日公開の『ボディ・ハント』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20121121/1353462225)と導入部分がそっくり!なんていう記事を見たが、主人公が引っ越してくるところから始まる映画なんてごまんとある。実はこの二本、脚本家が同じだそうで、引き出しの少なさがありあり……。

 同じスーツ着てても、やっぱり007と今作の編集者では、演じ方もまったく違っていて、立ち方や歩き方変えたら全然違う人になるのだな、と実感。『ドラゴン・タトゥーの女』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20120212/1329018162)寄りのキャラ。スーツで決めて作家志望、嫁はレイチェル・ワイズ、娘が二人と家族に恵まれ、順風満帆、と思えたのだが、実は引っ越してきた先の家でかつて殺人事件があって……。
 えええ〜、これって、あれとかあの映画とかと同じパターンじゃないの、もしかして、と心配したのだが、一回オチを中盤に持ってきてまず種明かしをしてしまう。名前が変なのがポイントだね。そこから残った謎を解明、という流れになるので、だいたい内容が読めつつもそれほど不満も抱かずに済んだ。そのあたりのネタとオチよりも、予告編で触れてた家族話の泣かせ要素が、まさにメインという印象。ただのホラーを無理やり泣かせに仕立てあげるような宣伝かと思っていただけに、これはちょい意外でもあったね。


 一応、二段オチになってるおかげで満腹感はあるし、ひねったことをしてないおかげで、割合端正なゴーストストーリーに仕上がっている。『ボディ・ハント』も手堅くまとめた感はあったし、引き出しは少ないながら、職人的にミスの少ない脚本家なのかもしれないな。特に伏線として「引っかかる」シーンやセリフの使い方が上手い印象。


 しかし編集者の割には相変わらず脱いだらマッチョなダニエル・クレイグが意味なく入浴シーンを見せるし、レイチェル・ワイズもスケスケの寝間着シーンが妙にエロいね! 対してナオミ・ワッツさんはいささか精彩を欠きましたが……。