"囚われの雌猫"『愛の嵐』
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カナザワ映画祭2012(http://www.eiganokai.com/event/filmfes2012/index.html)で鑑賞。
1957年、ウィーン。ホテルのフロント係マックスは、人目を避けるように夜勤をして暮らしていた。ある日、泊まり客としてやってきた指揮者夫妻を見た時、彼の記憶が20年の時を経て甦る。指揮者の妻の名はルチア。かつて、ナチス親衛隊員としてゲットーにいたマックスは、少女だったルチアを自らの性奴隷としていたのだ。再びルチアを我が物にするマックス。だが、かつてのナチスの残党たちは、マックスの正体を知るルチアの存在を許そうとはせず……。
これ、家にDVDあったよなあ……とか思って油断してたら、途中でウトウトしてしまったよ! 多分、エロいところを色々と見逃したような気がする。
最近『メランコリア』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20120220/1329651090)とか『彼が二度愛したS』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20111112/1321090914)とか観てたので、若い頃のシャーロット・ランプリングが見られてよかった。美しくも怜悧な雰囲気は昔からで、簡単に仲良くなれそうにない雰囲気が漂っている。だからこそ、傲慢な男はそれを傷つけたり歪めたりして支配しようとするのだろうね。
果たしてナチス収容所時代に彼女は調教されてしまい、十年が経った今になってその性壁が蘇ることに。堕ちて行く歓び〜! woo! とこう書いちゃうと身も蓋もないしょうもない話なんだけど、ダーク・ボガードの過去から逃れられず日の当たる場所に出られない後ろめたさとそれが結びつき、破滅へと直進して行く後半は見応えがある。
戦後、極右の力がドイツ以上に残存したオーストリアを舞台にしているあたりも、二人の捕らえられた闇の大きさを物語るのに一役買っている。元ナチス党員とその組織の暗躍。決して変えることのできない過去と、進んでそれに囚われる男女。ラストシーンの鮮やかさも印象深い。
途中、監禁場所に猫がいて、ランプリングさんのみを捉えたショットで鳴き声だけがかぶさるところが良い使い方であった。品種も彼女のイメージだよね。ところであの後、猫も食べられてしまったのだろうか? 気になる!
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