"その鍵はどちら側に"『ケース39』

ケース39 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

　恐怖の少女ものつながりということで、ツイッターで薦めてもらった映画。DVDで鑑賞。

　児童保護局で働くソーシャル・ワーカーのエミリーが受けた39番目の案件は、リリーと言う名の少女。ある夜、狂気に取り憑かれたとしか思えない両親が、リリーを殺害しようとする間一髪で食い止めたエミリーは、自分になつくようになったリリーを預かることにする。だが、その日を境に、不可解な殺人が起こり始める……。

　『エスター』（http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20091020/1256051537）『ぼくのエリ』（http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20100901/1283317628）と並び称される……ということだったが、まあ前二者のパンチはなかったものの、まずまず楽しめた。
　丁寧な前振りから、後半の価値観の逆転へと雪崩れ込む切り返しも巧みで、メリハリが利いている。主役の子の大きな黒目が印象的で、カットによっては可愛らしくも非人間的にも見える不思議な瞳だ。演技も頑張ってるよな〜。
　素材はうまく生かされてるが、後半の展開はスーパーナチュラルな設定ゆえに少々何でもありになってしまっているので、謎解きや反撃の要素が薄く、若干盛り上がりを欠いた。オチも少々行き当たりばったりかな……。しかし特典には別エンディングがあって、こちらの方が伏線も回収されてるしホラー映画としてはいいんじゃないかと思った。

　主演はレニー・ゼルヴィガーで、こちらはキャリアと母性とトラウマの狭間で苦悩するキャラ、というところで、描写としては薄いが好演している。そしてブレイク前のブラッドリー・クーパーも「軽薄……」とか言われてしまう精神科医役、こちらもおなじみのキャラだ！
　ほどほどのグロ要素も含めて、まずまず楽しめるホラー映画。ロリコンにもオススメしたいね。

ぼくのエリ 200歳の少女 [DVD]

モールス [Blu-ray]

エスター [Blu-ray]