"その電話を切らないで"『コネクテッド』
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ロボット工学者のグレイスは、娘を学校に送った帰り、謎の男たちに拉致される。幽閉場所で破壊された電話を修理した彼女は、どこにつながるかもわからないまま助けを求める。つながったのは、別々に暮らす息子と会うために空港へ向かうサラリーマンのアボン。突然の助けを求める電話に困惑しつつも、アボンは彼女を助けるために奔走する。
オリジナルは『キャプテン・アメリカ』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20111016/1318775742)とキム・ベイシンガー、ウィリアム・H・メイシー、ジェイソン・ステイサムというカオスな豪華キャストで、かなり面白かった。今作は、その香港でのリメイク。
元のシナリオの面白さが折り紙付きなんだけど、道やら建物やら3〜4割程狭い香港に舞台を移したおかげか、余計に緊迫したムードが漂う。おなじみの香港テイストで車をガンガンぶち壊し、そこら中のものをたたき壊し、人を殴りまくる。アクション大幅増量でこんなに面白くなるのか!
そもそもプロットが、ちょっとコメディタッチもありのドタバタ、都会的な人間関係の希薄さ、汚職の温床となった警察機構、カーチェイスと、全部香港映画が普段からやってることばかりで、完璧に合致しているのだよね。だから、リメイクに時々ある、舞台を移し替えたことで生まれる据わりの悪さが一切ない。……というか、段々こっちがオリジナルで、向こうがハリウッドリメイクに見えて来たよ!
ルイス・クーは借金取りの経理をやってるメガネ野郎。仕事に対してちょっと後ろめたいものを抱えていて、嫁には逃げられ、息子と接する時間が取れずに愛想をつかされかけている、という、メガネにスーツなのにも関わらず、ダメダメ臭に加えてなぜかいつも通りチャラ男な雰囲気がつきまとう役柄。ダメだった男が今回こそ頑張る!という話なのだが、「息子に会いに行く」というだけでも日頃失敗しがちなのに大変な人助けに巻き込まれる、という二重の厳しさ。一応、銃なんかも手に入れたりするのだが、全然扱えない。しかしながら使えないなりに弱者の戦略で乗り切って行くあたりが良い。
もともとダメな人なりに、何か立ち直るきっかけ、善いことをする「チャンス」を探していたのだよね。突然訪れたその機会は、一見、面倒ごとのように思えるけれど、正しいことをする機会と言うのはなかなか訪れるものではないのだ。
それを助ける交通課(!?)の警官がジョニー・トー映画でもおなじみのニック・チョン。ああ、あのちんちくりんの人ね……と思ってたが、今回はシリアスな表情が痺れる! ルイス・クーと出会うのはまったくの偶然で、すぐに別れてしまうのだが、そこに「事件の匂い」を嗅ぎ取るあたりが優秀さと正義感の表現になっていてカッコいい。
そしてこないだ『レイン・オブ・アサシン』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20110915/1316080358)でお色気担当の殺人花嫁役だったバービー・スーが、囚われた母を熱演。ロボット工学者なので電話ぐらい修理できる、という強引さが素晴らしいね。この人、結構小柄でいわゆる「守ってあげたくなる」なにか庇護欲をそそるタイプなのかもしれないな〜。
わずか三時間程のストーリーをタイトにまとめた秀作。スパッと楽しめる娯楽作ですよ!
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