"この自由な世界で"『ゾンビランド』
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地球上がウイルスに汚染され、人類が次々とゾンビに変わっていった世界。「ゾンビランド」と化したアメリカで、両親の住むコロンバスを目指す大学生「コロンバス」は、ゾンビ狩りを楽しむ男「タラハシー」と出会う。車に同乗し目的地を目指す二人。だが、食料の調達に立ち寄ったスーパーで「ウィチタ」と「リトルロック」の姉妹に車と銃を巻き上げられてしまい……。
これは公開時から評判が良くて観たかったのだが、面白かった!
ゾンビものロードムービーのお約束を踏襲しながら、全編に渡って非常に軽妙。たまに「世界滅びねーかな」と思うことがあって、それはこの誰もいない街や道路の解放感のようなものを求めているわけだが、不安感と寂しさの裏返しであるそれらの表現が素晴らしい。たった一人の童貞野郎ジェシー・アイゼンバーグが、自分の中での「ルール」に頼ってサバイヴしていく中、謎の男と道連れになり、美人姉妹と出会う。他人と行動することはリスクを孕むし、「ルール」を破ることにもつながるが、それをなんか面倒だなあと思いつつもいっしょにいたいという気持ちもあり、漠然とどっちつかずで揺れ動く。セックスしたいんだけど、一人でネットやってた方が気楽、でも別にそれがポリシーってわけでもなく……という絶妙な曖昧さ。
地名でお互いを呼び合う希薄な距離感の中、四人のキャストがそれぞれ良い。
ウディ・ハレルソンはちーとも「大人の男」のロールモデルたりえず、あのいつも通りのうざい顔で何やらかすかわからない男。なんだけど、彼も独自ルールでこの世界をサバイヴする男で、ジェシーからしたら逆に「ああ、これでもいいんだ」という共感を孕んだモデルになっていく。
エマ・ストーンもこれでちょっと好きになったなあ。ちょっと醒めたキャラのアビゲイル・ブレスリン妹と共に、同じくこの世界をサバイヴしてきた二人。
4人が4人とも独立独歩の強さを持っているがゆえに、互いに依存したような悲痛さがなく、集まって力を合わせる展開にもカラリとした印象がある。「ルール」もそれによってまた新しい項目が付け加わり、変わっていく。変化を怖れず、生きることと欲するもののために、自分に正直に生きられる世界。そりゃあ過酷ではあるが、でもどこだってそうだろう?
シンプルな筋と設定、小粋なムードでテンポの良い快作。
ところでビル・マーレーって、ほんとにあんな大邸宅に住んでるの? やっぱりスターなんだなあ。
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