"里子はつらいよ"『グラスハウス』
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両親を自動車事故で失ったルビーとレットの姉弟は、両親の知人のグラス夫妻に引き取られ、生まれた地を離れて彼らの「ガラスの家」と呼ばれる豪邸で暮らし始める。だが、何不自由ないと思われた生活の中、ルビーはある疑惑を抱く。自分たちの生活は、グラス夫妻に監視されている……?
「後見人」なるものに全ての権利を握られてしまう、養子の立場の不安定さを描いたサスペンス。未成年だから、車一つ乗るのも一苦労だし、金も行動も何一つ自分の意思では自由にならない。何をやっても大人からは「不安定なティーン」ということで、色眼鏡で見られてしまう。もし、「後見人」がクズならば、全てが発覚するのは何もかも手遅れになってからかもしれない……!
冒頭、リーリーが友達とスプラッタホラー映画を観てるシーンがあって、大して怖くもねえという感じで冷めたツラしてるんだよね。こりゃあ当然、終盤はこれとまったく同じシチュエーションにさらされて絶叫という展開があるだろう、と思ったのだが、そこまでの過剰さはなし。
舞台になる「グラスハウス」も美しいし、全体に丁寧に描写してあって水準は高いサスペンスものになった……と思うんだが、ジャンル映画にあってほしい愛すべき過剰さが感じられず、小さくまとまっている。あの家が舞台ならジャッキー映画ばりにもっとガラスを叩き割りまくるか、鏡を使った恐怖演出をバンバン入れて欲しかったね。
真相も中盤でだいたいわかってその通り、なので、もう一捻りほしかったかなあ。ステラン・スカルスガルドの怪演に全てを託すのはちょっと苦しい。ダイアン・レインは完全に老け込む寸前、というところでいい味だったがこちらも惜しい。
そういった遊び、娯楽作品としての味付けのようなものを入れないなら、もう少し後見人制度の陥穽なども含めて社会的な視点を入れても良かったんじゃないかな。悪くはないが物足りない内容だった。
そんな中でも、リーリーの水着姿がエロい! なんというバディ! が、ここらへんが意外にも危機にさらされないので、エロい目線で観てるのは我ら観客だけだったというオチ……。実に無難な……。
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