"「お前いいパンチしてるじゃねえか」「そっちもなかなかのもんだったぜ……」"『戦国BASARA The Last Party』


 人気アニメがついに劇場版に!


 豊臣秀吉の天下統一の野望は、伊達政宗によって断たれた。だが、奥州に迫る影がある。秀吉を慕い、政宗を仇と狙う凶剣の使い手、石田三成であった。一方、川中島で上杉をついに破った武田軍の元に、徳川家康が現れる。絆の力をもって天下を統一するために、力を貸して欲しい、と……。


 いや〜、驚きましたね……今作……何がってさ……。


 まさかの石田が主役wwwwwww


 序盤からちょこちょこと伏線張ってたので、あれ、これはまさかの……と思ってたらやっぱりそうだった。そんなのありかよ! 第二期の秀吉と半兵衛のエピソードは、今回の話に丸ごとつながっていて、石田三成というキャラクターの根幹を成している。それは家康の語る「絆」とも重なっていて、劇場版とゲーム版『3』の中核になっている。作中で一番大きな変化を遂げるのは彼なんだよね。だからこそ、最後の一撃が彼に託されたのだろう。
 浅井とお市、それに天海僧正を名乗る謎の男(笑)の第一期以来の因縁を解消したのも良かったんではないか。
 そしてこの二つ、石田とお市のエピソードを合わせることで、第一期、第二期との連続性を強調し、集大成としたわけだ。
 でもMVPは大谷さんでした。そのテーマを石田と共にもっとも表現してですねえ……。家康の語る「絆」の物語が結実する瞬間。「病ゆえに世界の全てを呪っている」という設定は酷すぎで、各方面から非難轟々だったわけだが、「実は呪ってなんかいませんでした〜!」ということでエクスキューズとしたのでしょうか、うーん。でも泣けた。
 幸村と政宗様はもういつもと同じ、家康も一歩引いた位置だし、慶次は仲裁役だしな。今回は三成が美味しすぎた……。


 まあしかし、「夕日の射す大地に、全員が大の字になって笑い合っている」ショットには、わかっていたのに呆然となってしまった……。完全に青春もののノリになっている……戦国武将っていったい……関ヶ原ってなに……? 今回はほぼ女性キャラが不在で、かすがは台詞なし、謙信様(女性じゃないけどさあ……)も早々と退場、鶴姫も孫市も出て来ないのはなぜに……と思っていたが、このホモソーシャル、というよりやおいチックなノリを貫くためには当然の措置であったか……。そしてやっぱり生きていた毛利さんまでもが、この流れに巻き込まれる。なぜこの真性の悪役な人までこの扱いに……? まあいい、天下を賭けてもう一度勝負だ!


 関ヶ原を終着点に、妙に真面目にお話を作り込んだゲーム版『3』に対してのサプライズでもある。
 本来、戦いは永遠に続く!のを表現するのはゲームで、ストーリーにオチをつけてしまうのがテレビシリーズや映画だと思っていたのだが、まったく逆だった。
 活躍もさせずにキャラクターを殺してしまったりした第一期(家康も死んだんじゃあ……)など、そのあっけなさにセンスを感じず不満だったのだが、劇場版に至ってそれを自覚し反省したか、まだまだ続きを作る気か、見事なまでに玉虫色の決着(笑)。「正史」としての位置づけをあえて外してしまった。だが、それがいい! 歴史の彼方で、戦国武将達は永遠に熱く燃え滾り、COOLに戦い続けるのだ……。元より歴史の「同人誌」としての作品なのだから、妄想し続けるためにも終わってはならないのである。


 客席を埋め尽くしたアニオタ&暦女もこのラストに呆然だった様子。


「え? これで終わり? って言うか、終わらないの?」


 バッキャロー、終わっちまったらオレもおまえらも、妄想も消費もできなくなるだろうがああああ! NO PROBLEM!!!


 爽やかな後味も込みで、観て気持ちが良くなる作品としてパッケージングされた印象で、これはこれで一つの形だね。ゲームと同じメインストーリーを辿ると見せて、実質は劇場版『ドラゴンボールZ』に近い構造になっている。ん〜、これはもういくらでも続編を作ったらいいと思いますよ。海外から新たな強敵が現れるとか、源平合戦にタイムスリップして過去の名将と戦うとかさあ……。

戦国BASARA クロニクルヒーローズ

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