"ドルフさん主演デビュー!"『マスターズ 超空の覇者』

 『ロッキー4』に続く、ドルフ・ラングレン主演デビュー作!


 宇宙の平和を司る力を守る惑星エテルニア。その中核である聖魔道女ソーサラスの城を、魔王スケルターの軍勢が襲う! 囚われ力を封じられたソーサラス。だが、まだ奴がいる。エテルニアの誇る最強の勇者ヒイ・マンが! ヒイ・マンは二人の仲間と共に、ソーサラスの救出に向かうのだが……。


 冒頭、スターウォーズのパチもんのような音楽が鳴り響き、宇宙のどこかの星で、勇者ヒイ・マンことドルフとゴム製の骸骨の顔をした魔王スケルターが対決! この魔王スケルターもそのまま暗黒卿のパチもんのような風体で呆然。フランク・ランジェラがやってるけど、まったく顔が見えないよ! さらにその配下の兵士達は……みんなダース・ベイダーと頭の形が一緒だあ! 助けてくれ!
 そんなパチもんイズム全開の、宇宙の果てでの戦いがこれから始まる……と思いきや! 発明家の作ったコズミック・キーのワープ機能で、ドルフ達は銀河の遥か彼方の星へと飛ばされる。ここはどこだ? 最初に出くわしたのは、謎の生物……。


 ……え? 牛?


 舞台はチキン屋の裏側、若い頃のコートニー・コックス(『スクリーム』のレポーターと言えばわかるかな?)が「あたし彼氏と別れようかと思って……」と語り出す。映画館ならここからフィルムを掛け違えたのかと思うところだが、これはDVD! つまりここは……。


 80年代のアメリカ、地球だああああああ!


 いや〜、全然予備知識なかったんで、普通に異世界の冒険ものかと思ってたから、死ぬほど驚いたね。スターウォーズのパチもん臭が、ある意味ミスディレクションになってましたね。
 地球に来ようが構わず半裸のドルフさんだが、ここからコートニーの彼氏だの刑事だのが出て来るので、主役の割に存在感がないのが困りもの。コズミック・キーが音をたててワープ先の座標を示す、という設定なので、バンドやってる彼氏がそれを作曲する、というおバカな展開もあり、まあそれなりに筋は考えたんだろうなあ、と思うが……。


 アクションもメリハリに欠けるが、ドルフさん入れて三人いるアクション担当の役割り分担がないのが致命的。せめて剣担当と銃担当は分けないといかん。ドルフさん自体が、そんなにバリバリ動く人ではなく、この頃も顔と身体は若いが何か不器用な感じであるから余計に。


 続編に色気を出したかのようなエンディングも含め、それなりにこの当時のものとしてはまとまってるのかねえ。ただ、これもそんな大予算の部類じゃなかろうし、もう24年前の作品なのだが、ここ数年のドルフさんの自営業的映画作りよりは金かかってるように見えるのは、さすがは大スタジオMGMの仕事、というところかな。


 幸いにもこの路線は続かず、この後ドルフさんは暴虐アクションに『レッド・スコルピオン』で覚醒し、その道をひたすら歩むことになる。今作でもドラゴ役はひきずってなかったが、迷走寸前で正しい道に走ったと言っていいか。もしも今作が成功していれば、『コナン・ザ・グレート』的な出演作が増えたのかもなあ。

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