"落ちる! 溺れる! 何も見えない!"『サンクタム』
試写で鑑賞。ジェームズ・キャメロン製作の3D映画!
パプアニューギニアの奥地、人跡未踏の巨大洞窟。密林の奥に口を開けたその洞窟の最深部には、おそらく海に抜ける地底の川と通路があると推測される。それを発見すべく調査を開始した探検隊だが、悪天候とダイバーの事故死により、中止を余儀なくされる。しかし、サイクロンの進行は予想を超え、脱出口を封じられた探検隊は、未だ発見されていない地下の川からの脱出を図る……!
さて、『アバター』も夢いっぱい(笑)の話だったが、これもいかにも3Dの見本市的な冒険アドベンチャーかと思ったら、意外にも凄惨な内容で驚いた。
いきなりの溺死者が出る序盤から、事態は逼迫し、サイクロン発生後はほぼノンストップ。閉じ込められた6人は、探検家をリーダーに脱出しようとするが、スポンサーの金持ちとその婚約者の登山家はいまいち言う事を聞かず、探検家の息子は反抗期。様々な軋轢が生まれる。食料、酸素、明かり……ひとつ、またひとつと尽きて行く極限状況で、メンバーの人数もどんどん減って行く。
家庭を顧みず洞窟探検にかまけている父と、それを認められない息子の葛藤。脱出のために探検家は最善の道を示そうとするが、それは時に非情な決断を伴う。覚悟もなく降りてきた人間に、それは受け入れられない。
洞窟探検は厳しい! たとえ某映画のように地底人が襲って来なくても……!
思いつく限りのイベントが起きるし、テンポの良さと緊迫感があって、だれない。臨場感も維持し、この手の映画らしく自分だったらどこまで頑張れるだろう、と考えながら見られる。目新しい内容ではないし、どこかで見たような展開とプロットだが、外さない作り。「たぶん次はこうなるから、あれ使いよるで」というお約束も、予想を超えた展開がある部分もあるから生きてくる。
開始三分で洞窟に入り、出た瞬間に終わる、タイトな作りにも好感が持てる。
例によってやっぱり3Dである意味は感じなかったんだが、映像はかなり頑張ってたなあ。それと洞窟の厳しさを知らしめる死体描写の数々! 溺死! 転落死! 病死! 終盤にはお決まりの格闘戦も勃発!
期待値0で観たら、意外にも面白かった映画。ランタイム分はそこそこ楽しめる。しかし、3D料金払うのはなあ……(笑)。
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