『貴族探偵』麻耶雄嵩

貴族探偵

　こないだイベントで作者にサインもらってきました。ちょいイケメンですな、氏は。

　殺人現場に現れる、気品に満ちた男。人呼んで「貴族探偵」！　その家柄で警察を押さえつけ、執事、運転手、メイドの名推理で全てを解決する！　五編からなる短編集。

　５年ぶりの著作、ということで期待感が高いと苦しいが、そうでなければ楽しく読める短編集。
　探偵が貴族で、推理も解決もみんな使用人がやってしまう、という設定は、面白いような面白くないような、アンチミステリ的なようなそうでもないようなで、相変わらずけったいなことを考えるなあという「奇手」ではあるが印象は薄い。しかし各編にその設定を生かした、毎回違う小ネタを仕込むあたり、さすがの巧さだ。

　
　これで次の本が５年後だったらキレてるが、すぐに『隻眼の少女』も出たことだし、いいや！

隻眼の少女

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