バリー・ウォン風味の子連れ狼は、やっぱりいつものバリー・ウォンだった『新・少林寺伝説』
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
- 発売日: 2009/12/02
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少林寺において、伝説の武術家と称されたホン・カーロ。彼の留守中、故郷の村が兄弟弟子の裏切りによって朝廷に売り渡され、壊滅する。妻を失ったカーロだが、裏切り者を討ち果たすと、生き残った幼い息子とともに長い旅に出る。少林寺を守るため、戦い続けるホン親子。だが、そんな彼らに宿敵の魔の手が迫る……。
炎上する村で、ジェット先生が幼い息子にこう語りかけ、選択を迫るんですね。
「刀を取るなら父と共に戦いの道へ、木馬を取るなら母と共に冥土で暮らせ」
……それって『子連れ狼』っしょ!?
いきなりご機嫌なパクリから幕を開けますが、この後もとりあえず入れられそうな要素はみんな入れちまえ!という、もうファンにはおなじみな安心のバリー・ウォン印。
ジェット・リーのアクションは、今回は槍中心。伸縮自在の槍とワイヤーワークで、ばったばったと敵を薙ぎ倒す。成長した息子も、同じ技と槍で大暴れ。この子がまた鍛えすぎなぐらいの達人で、カッコ良過ぎる! 親子のコンビネーションが炸裂するシーンは必見。この二人、後に日本では絶対真似出来ない児童虐待カンフー映画『D&D 完全黙秘』でも共演してます。これも最高!
子供がいる分、ウォン・フェイフォンほど人格的に未熟ではないが、やっぱりツンデレなジェット先生。詐欺師母娘の娘の方、チンミー・ヤウにたぶらかされそうに! 裁縫対決の末にお色気でたぶらかされ、だんだんと情が移り……って、相手は詐欺師ですよ!?
さらに詐欺師の母親の方、元「ミス格闘技」とかいうわけのわからん肩書きを持つおばはんも大活躍!
ジェットの子供役以外にも、他に五人も子役が出て来て、これまた大活躍!
悪役は全身を毒に浸して修行したという設定のフリーク! これがまた強い!
そんなこんなで見せ場のてんこもり、重力を無視した大空中戦が展開され、子供も女も容赦なく吊り上げられ、吹き飛ばされます。ベタベタなギャグも矢継ぎ早に入り、飽きさせません。
『ワンチャイ』シリーズの大ヒット後に、リー・リンチェイはこういう映画にばかり出てたわけですが、やや繊細さは欠くとはいえ、充分に面白い。冒頭で『子連れ狼』をやったにも関わらず、全然シリアス味が出ない適当さも最高!
ジェット・リーファンはやはり必見の一本であります。
<追記>
新作『海洋天堂』も、親子の情愛がテーマらしいんで、すでに「父親」役をこれと『D&D』で演じていたのを思い出して、比べつつ見れば面白いかもしれませんね!