『死神の精度』

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 しかし配給が『L』と同じWBで、脚本家も『L』と同じ……これをどう期待しろというんだ。
 同じ脚本家の『ネガティヴハッピー・チェーンソーエッジ』はわりとまとまってたので、原作ありならばそれなりの本が書けることを願いたい……。


 ま〜実際のところ原作読んでないんで、どの程度キャラクターのニュアンスなんかが再現されてるのかはわからないが、とにかく曖昧模糊とした映画だった。


 金城武演ずる死神が、不慮の死を控えた人間に会い、その死を「実行」するか「見送り」するかを判定する、というのが設定の骨子。で、普段幼女だろうがなんだろうが実行のところをいきなり見送ってしまうのだが、その理由が不明。普段実行してる理由も不明。
 「彼女にはやるべきことがある」みたいなことを言うのだが、別に未来が見えるわけではないので、完全にその時の気分で決めているようにしか見えない。そりゃあ映画なんだから、この展開があとあとつながってきて……というのはわかってるんだが、それを想像してるのは観客だけのはずなんだが……。


 そもそも死神が何のために存在してて、なんでわざわざこういうことをしてて、なんでいつも雨で、なんで音楽が好きなのか、その理由は一切語られない。存在そのものが単なるファッションになっている。こういう設定なんですよ、おしゃれでしょう? え? 意味なんて別に……。
 作中に漂うゆる〜い「ふいんき」(変換できないぞ、おかしいなあw)を共有できる人にはそれなりに楽しめるのかもしれないが、空が青いのは当たり前のことで、その空の青さに感動する人間の気持ちと観客の気持ちをシンクロさせるには、単なるふいんき作りでない演出が必要だと思うんだけど……。


 ついでに映像はしょぼく、台詞は寒かった……。鬱だ死脳。

死神の精度 (文春文庫)

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