『秘密結社鷹の爪3 鷹の爪.jpは永遠に』
ついに第三弾!
レオナルド・ダ・ヴィンチの末裔であると言われるヴィンチ家。優秀な科学者を輩出し続けて来たこの家系には、宇宙の叡智全てを集約したと言われる「プロメテウスの宮殿」につながる秘密が隠されているという。軍需産業サドルストーン社はその秘密を狙い、ヴィンチ家を襲撃。時の当主カスペルスキーは、息子レオナルドを怪人製造マシンに入れ、その爆発とともに親子共々行方不明となる。破壊された研究室からは、白衣を着たクマが逃げ去った……。時は流れ、10年後の現代。新たにアメリカ合衆国の大統領となったオババが核兵器の放棄を宣言し、各国が緊張を深める中、休暇から戻った鷹の爪団のメンバーは、博士が帰らないことに気づく。その頃、博士は旧知らしきジュリエットと言う女の家を訪れていた。歌手志望のジュリエットのスポンサーであるサドルストーン社は、密かに博士への接触を図る……。
あ〜、なに、この壮大なあらすじ。いや侮るなかれ、これら全ての設定がフルに活かされた、ハイパー娯楽作品なんですのよ、今作!
ついに明かされる博士の正体も含めネタの全てが「いや、それ全部、後から思いついたでしょ!?」と突っ込めるようなものなんだけれど、映画ももう三作目。最初は思いつきレベルだったはずの設定が、より掘り下げられ、世界観の一部として昇華されている。
今回も大活躍の島根県がその好例で、回を進めるごとにどんどん大変な扱いになっていく。そんな無茶な!と叫ばずにはいられないのだが、前回以前の扱いからすると、今回はこれぐらいありかな……と受け入れるしかない。いや〜、きっと島根県の認知度は大いに上がったと思いますよ!
そうしてエスカレートしていく各ネタだが、それらをまとめあげる手腕も健在で、クライマックスではどんでん返し、ラストは感動すら誘い、エンドロールで秘密が明かされる……。もうお腹いっぱいです!
ただ、これだけネタがまとまっているのは、おそらく相当に取捨選択を重ねた結果で、採用されなかったネタがたぶんとんでもない数あるんだろうな。思いつきと書いたが、そもそもそれだけ思いつくのがすごいよ!
時事ネタもみっしり詰まり、社会風刺も楽しい。オババ大統領ってのは、やっぱり今しか描けないテーマだよなあ。
他にも演出のダイナミズムや……キャラクターの心理の掘り下げ……ブラックなジョーク……語るべきところだらけですよ!
安心のクオリティで見られる傑作、まだまだ続けて欲しいな……。
秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE II ~私を愛した黒烏龍茶~ スタンダード・エディション [DVD]
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