『戦国自衛隊1549』福井晴敏
- 作者: 福井晴敏,生頼範義,半村良
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2009/11/25
- メディア: 文庫
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発表当初は、映画と同時期に絵本みたいな馬鹿でかいサイズの本で出したんだよね。『イージス』や『ローレライ』に比べて内容薄々、なのに値段は同じだけって。誰が買うか〜!
米軍との合同秘密演習の際、電磁波の暴走事故によって、自衛隊の1部隊が消失してから6年。「ホール」と呼ばれる謎の現象が、世界中を浸食し始める。それは、事故によって過去に飛ばされた部隊が歴史を改変しつつあることによって起きた現象だった。世界の消滅を防ぐため、自衛隊は新たな部隊を再び過去に送り込むのだが……。
半村良の『戦国自衛隊』の翻案だが、あの有名なオチを踏まえてあれやこれやとアレンジ。複雑な状況を単純に描くため、センス・オブ・ワンダーとは対極の縛りが施されてるあたり、SFとしてはダメで、まあ「架空戦記」ものレベルに落ち着いてしまった。ただ、そう割り切って読むとやたらと面白く、現代に飛ばされて再び戦国時代に戻った武士が、「恐れながら、殿!」と現代からおみやげに持たせてもらった「ぼおるぺん」をかざすとこなんかは、真面目なシーンなんだけど爆笑してしまった。何を書かせても絶対にお約束は外さないのだ。
初のSF小説なのに、いつもの「福井自衛隊」が戦国時代に行っただけで、ほんとにいつもと同じ感覚なのが面白い。ドラえもんが、劇場版で恐竜時代やら宇宙やら海底に行くが、どこに行ってもドラえもんなのに変わりはないのを思い出してしまった。この調子で、未来やらガンダム世界に飛ばされる話も書いたらどうだろうか?
情景描写薄めだが、戦闘シーンはやたらと書き込んであるあたり、バカだなあ、いいなあと思える一本。こういう気楽に読めるものも時々書くべきだと思うよ。
- 出版社/メーカー: 角川映画
- 発売日: 2007/07/06
- メディア: DVD
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