『イングロリアス・バスターズ』
かつて、ナチスの将校によって家族を皆殺しにされたユダヤ人の少女ショシャナ。名を変え、正体を隠しパリに移り住んだ彼女。小さな映画館を経営する彼女の元に、大きな復讐のチャンスが訪れる。ドイツの映画の主役となった兵士との出会い、彼の映画のプレミア上映を、彼女の映画館でやらないかという計画。
その頃、アメリカによって送り込まれた特務部隊「イングロリアス・バスターズ」もまた、プレミア上映を察知し、ナチス抹殺のために動き出して来た。ヒトラーがやってくる……!
ひさびさタランティーノ! いや〜、オープニングの音楽(ジョン・ウェイン『アラモ』の主題曲)、これをやって許されるのは、もはやタランティーノだけだね。強いて言うとイーストウッドも似合いそうだが、奴は音楽まで自作しちゃうからねえ。
ストーリーのシンプルさと裏腹に、5章構成の中身は、激しくいつもの喋りタランティーノ。これだけテーブルに座った登場人物同士が延々喋り続ける映画を撮る奴が、他にいるだろうか? 他の監督がやると冗長に感じるだろうし(実際タラ作品でも幾つかかったるいものがあるのだが)、今作は緊張感が絶妙。不思議だ……いつまでも観ていたい……!
時系列こそ入れ替わらないが、スパッと章で割られていて、各章はほとんど決まった舞台から場面が動かない。まさしく舞台劇のようでもあり、『レザボアドッグス』を見ているような感覚さえある。
『キル・ビル』と同じく、タラ公の大好きな映画がいっぱい詰まった作品ですよ。メラニー・ロランはユマ・サーマンの若い時みたいだ……!
あと、非常に狭い範囲ですが、映写屋さんは必見です。ナチスを倒すのは映写技師だ!
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