『クロスファイア』DVD
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2001/01/25
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特別好きってわけじゃないんだが、初めて見たのはトヨエツのドラマ『愛していると言ってくれ』。聾唖の兄トヨエツに対してブラコンの妹役で、事あるごとにヒロイン常磐貴子の邪魔をするうざい役。
で、次に見たのが篠田節子原作のドラマ『ハルモニア』。主演堂本光一の彼女役で、ピアノ科の学生。しかし、光一がサヴァン症候群で絶対音感を持つ女・中谷美紀のチェロ教育にかかりっきりになってるのが面白くない。そうは言っても相手は言葉も喋られない女なので、そんなことも口に出さずにピアノの伴奏を手伝っていたのだが、中谷の超能力でピアノの蓋を閉じられ指を叩き折られてしまう。で、その後は嫉妬心と恨みの権化になる……。
……とまあ、そんな感じで、永遠の二番手、邪魔くさい役どころばかりだったのだ。
それが初の主役……ということで、こりゃあ大丈夫かいなと思ったものだが、これは意外と良かった。当時はドラマにもたくさん出てたし、ちゃんと演技も良くなってる。何より、嫉妬心全開の役の頃より険のようなものが抜けて、なおかつこの『クロスファイア』という作品の主人公に似つかわしい苛立ちのようなものは残っていた。
で、この映画の主人公はどういうキャラクターかと言うと、まあガメラです。
だってよ〜、監督が金子修介で音楽が大谷幸で、炎の燃え盛るオープニングタイトルから始まるんだぜ〜。時期的にも平成ガメラやった直後。
で、キネ旬で原作の宮部みゆきが監督と対談して、主人公の、
……とまで言っている。映画見る前は、リップサービスもたいがいにしろよ、と思ったのだが、出来上がった映画を見ると、確かにガメラ以外の何者でもなかった。
パイロキネシス……発火能力を操る超能力者で、友人の妹を殺した法で裁けぬ悪人を抹殺するのだが、その強大すぎる力に目を付けた組織に仲間に引き入れられそうになる。その過程で、犯罪者や警官とも戦うことになるのだが、零距離の相手を融解させ、プラズマ火球を飛ばし、ライフルの弾を高熱のバリアで気化させ、上空の雲に超遠距離放熱するあたり、あまりに強過ぎて度肝を抜かれた。
宮部みゆきはアクションを書く素養のない人で、映画化もこういう部分は別に期待してなかったのだけど……やり過ぎなぐらいにやってて腹を抱えて笑ってしまったものである。
残念ながらヒットはせず、矢田が映画に主演する事はその後もなかったが、お塩と縁の切れた今、新たなキャリアをスタートさせるにあたって、またぜひ映画の道を志して欲しいものである。
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2000/04
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