『ルピナス探偵団の当惑』津原泰水

ルピナス探偵団の当惑 (創元推理文庫)

ルピナス探偵団の当惑 (創元推理文庫)

 私立ルピナス学園に通う吾魚彩子は、刑事である姉の頼みで密室の謎を解いた事から、それ以来事件の推理を強要されるように。いやいやながらクラスメート達と共に、難事件に挑む彩子だったが……。


 泰水〜! 好きだ〜!
 最近は出る本出る本傑作の津原泰水だが、こちらは発売当時にスルー。なんでも、少女小説書いてた時代に、講談社ティーンズハートで出した作品のリライトだそうで、


「最近売れてるからって、昔のどうってことないもんまで再販か。商売上手なことだね」


 と思って買わなかったのだ。
 まあ全面改稿だそうで、文章や描写もかなり変わっているのだろう。ティーンズハートって改行とか感じの使い方とかすごいもんな……。
 しかしながら、今読んでもトリックの精緻さや、描写と筋立ての緊密さは一級。新本格以降のミステリに時代性なんて、あってなきが如しだし、少しも古びていない。
 どことなく近作『ブラバン』に通じる味もあり。そう考えると、この主人公たちの成長した姿もちょろっと気になるな。


 続編も出てるんだっけ? 文庫になってから買おう。

ブラバン

ブラバン