『オーストラリア』

 リサイタルホールで試写。


 開始前に初めて、上映時間が2時間45分であることを知り愕然。
 なげっ!
 まあしようがない、始まった以上は腹をくくるしかない。


 とりあえずバズ・ラーマンなんで、テンポは悪くない。妙にコメディタッチのところと、いやにグロいところのギャップは好きになれないが……。
 しかしなんでこんな長いのかと思ってたら、1時間半ぐらいのところで、感動のクライマックスが……このままエンドロールに雪崩れ込むんじゃないかと錯覚するぐらいの盛り上がり、その30分後にもう一度……。
 あ、なるほどこれは三部作だ。三部作分のボリュームを強引に詰め込んでるんだ。
 最初の1時間半は『PROMISE』以来の牛暴走ものにして、『コールドマウンテン』に続くキッドマン現地適応もの。これだけで十分映画になる。で、次の30分で恋愛映画やって、最後の45分で日本軍の大爆撃が始まり一気にスペクタクルに……。
 さすがにこんだけ詰め込んだら、退屈には感じないよ。


 牛やカンガルーのシーンとか、動物は難しいとはいえいささかCGくさかったのが残念。まあどこかファンタジックに嘘くさいイメージを帯びてるのもラーマンっぽいわけだが……。


 なかなか面白かった。ラストも結構感動したし……。しかし作品の肝になっているアボリジニと白人のハーフの少年を中心にした、差別の問題がいささか通り一遍になってるのが残念か。まあそれもラーマンだからこんなもんか。それでもその少年役の子の存在感、目の輝きで救われている。


 ヒュー・ジャックマンのファンとしては、彼のタキシード着た時のちょっと照れも入ったニヤッという笑いに萌え〜なんである。
 ほんとなら、気楽に観られる悪くない映画のはず。しかしこの長さは……。