『青山娼館』小池真理子

青山娼館

青山娼館

 これも長い事積んでた上に、うっかり2冊目買っちゃったりしたんだよな(笑)。


 あ〜、やっぱり酔っぱらってる時に小池真理子読んだらダメだわ。心に染みすぎる(笑)。


 タイトルからしていかにも「大人のエロ本」なんだけど、娼館というのは今作の中でも「身体を売る」というある意味極限の状況を演出する装置に過ぎず、実際のベッドシーンは、作品の後半を過ぎないと出てこなかったりするぐらい。
 描かれるのは、大切なものを失い人生に倦み疲れた人間が、喪失を抱えながらも生き続けて行く姿。表現はやや大仰ながらも、絵空事とは片付けられない何かがある。
 それでも、人は生きて行く。その強さとは。
 ああ……いいわあ……。
 分量も手頃で、いくつかの作品にあるいささか力み返った感じもなし。これは傑作だ。