オレも頑張ろう!?

 一週間ほどジム通いをさぼると、腰が痛む。運動不足もあるが、家でも会社でも座ってパソコンばかり叩いておるのが、やはりよろしくない。
 解決案としては、ジムに週二回程度通えばいいのだが、平行して、少し腹筋と背筋を鍛えてみることにする。周囲の筋肉をパワーアップさせることで、腰の負担を減らそうというわけである。
 この一年半でかなり脂肪は落ちたのだが、今まであまりにも筋肉がなかったため、まだまだソフトマッチョにはほど遠い。さらなるビルドアップを目指すぞ。

 そんなわけで、ジムに行かない日も腹筋と背筋を軽くやっている。といっても、20〜30回程度。どうってことない量で、今日で六日目。それでもちょっと効果が出て、胸の下あたりの筋肉が固くなってきた。

 で、少し前、職場のTさんに「はじめの一歩」の一巻から十巻までを借りたのである。プロボクサーの主人公、一歩くんは、強くなりたい一心でひたむきに猛練習をするわけだ。まあオレがジムで練習する量の、軽く20倍はやっている。もちろんマンガだから誇張された表現もあるわけだが。
 それを読んだ日、オレはいたく感動し、「よし! 頑張ろう!」という気になって腹筋もいつもの倍やったのである。

 翌日、ジムに行って自主トレしてたのだが、ジムにはオレよりもたくさん練習してる人がいっぱいいるわけである。で、その頑張ってる姿を見れば、「はじめの一歩」を読んだ時のように「よし! 頑張ろう!」という気になる……かと思ったのだが……これがなぜか全然ならないのだねえ。
 人の練習を横目に、「ま、オレはぼちぼちやろっか」と、うわあ全然やる気なし。

 うーん、この違いはどこにあるんだろう。単に現実は無味乾燥としてて、フィクションの方が面白いということなのか。それよりも、ジムの人たちのキックボクシングに対して抱えてる思いがこちらに「ストーリー」として伝わってこないせいか。例えば、一歩がうちのジムでオレの横で練習してたらどう感じるだろうね。

 まあそんなことを考えながら腹筋してたら、ちょっと回数が増えてしまったりして、良かったんですが。
 マイペース人間は、モチベーションを引っ張り出すのに苦労するのである。何かを「やらなあかん」と思い込める人間が羨ましいねえ(半笑い)。