”この卵料理を作ったのは誰だっ!”『恋するシェフの最強レシピ』


金城武×チョウ・ドンユイ!映画『恋するシェフの最強レシピ』予告編

 金城武主演作!

 実業家のルー・ジンはビジネスのみならず味にもこだわる男……。上海の老舗ホテルを買収しようと考えるが、そこのレストランの料理に納得がいかない。だが、断念する寸前、謎のシェフが作った卵料理に魅せられる。シェフを女と見抜いたルーだが、それがかつて間違いで彼の車を切り裂いた女だとは知る由もなかった……。

 ホテル王金城武は謎の女チョウ・ドンユイに復讐のために愛車のボンネットをズタズタにされるのだが、それは駐車場の階層間違いで、まったくの人違い。かくして奇しくも出会った二人は、さらに意外な場所で再会する。

 金城武がビジネスやってる傍、実は異常に味覚が鋭く食い物にうるさいという設定。当然、買収するホテルのレストランの味にもこだわるのだが、彼をうならせるどころかまともに食えるものも出てこないという体たらく。ダメ! 作り直し!と何度も要求するあたり、『美味しんぼ』イズムが急激に映画を侵食し、金城=山岡士郎的に見えてくる。本人は出前一丁の作り方に異様にこだわるものの、料理のスキルはないのだが、知識だけは人一倍。それを振りかざして納得の行く料理を要求し続ける人格破綻者。
 しかし、厨房にただ一人、その要求に応えられる人間がいた……ということで、まさに運命の出会いですね。この後も、一食は一期一会とか美味しんぼ語録に乗ってる名言も飛び出したり、味のわからない人間=人非人というお馴染みの公式も!

 美味しんぼのヒロインだから、チョウ・ドンユイの役は栗田さん……ではなく、どちらかというと山岡の無茶振りに応え続ける岡星であろうか。山岡=狂人と、栗田さん=視点の違う狂人のカップルではなく、料理の才能だけが突出した天才としての岡星がヒロインポジションもゲットしたような……。

 チンチクリンのパンク女であるドンユイに対し、タケシ・カネシロの今までの専属シェフが、ゲスト出演リン・チーリンで、身長差と共になかなかインパクトがありました。料理の要求は満たしつつ、彼の心を変えられなかった女、ということで、結構悲しい役回りだな。ここはまあゲストでさらっと去らせたのは正解か。

 邦題の「最強レシピ」に当たる料理にこれというものがなく、クライマックスに料理対決したりもしないので、いささかパンチに欠けるボリューム。フグの毒にあたってラリるあたりの不穏さなどは買うが……。どっちかというとシェフに恋する映画ですね。ちょっと年の差カップル過ぎる感じもありますが、まあそこは中国あるあるか。