読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

”撃ち尽くすまで戦え”『ハードコア』


映画『ハードコア・ヘンリー』日本版予告編

 カナザワ映画祭2016でプレミアム上映!

 記憶を失いある研究室で目覚めたヘンリー。片腕と片脚は失われ、機械に交換されている最中。妻であるという科学者の支えを受け、声を取り戻す処置を受ける寸前、謎の男が研究室、そして彼と妻を襲う。脱出ポッドで地上に逃れた彼は、追跡を超人的な身体能力で逃れていくのだが……。

 全編一人称のFPSゲーム的視点で作られたバイオレンス・アクションが日本初上陸。監督のトークも予定されていたが、これは残念ながらなくなり、本編の爆音上映のみになりました。
 原題『Hardcore Henry』の通り、主人公はヘンリーと呼ばれる男。目が覚めたら記憶がなくなり、肉体は改造手術を受けてサイボーグと化していた。妻であるという科学者の女に残りの処置を受け、ようやく通常の生活が送れるようになったかと思ったのもつかの間、念力を操る謎の男の襲撃を受け、単身脱出することに……。
 主人公はヘンリー自身は手足や身体の一部しか画面に映らず、どんな顔してるのかも定かではない。そこから延々と追跡劇とアクションが続き、画面はどんどんスピードアップしていく。
 主人公の主体的行動はほぼ描かれず、アクションが終わればシャールト・コプリーが登場して次の行き先や行動を指定してくる、という構成。これはつまりゲームの「フラグ」であったりステージクリア後のインターミッションであったりするのだな。次のステージに移動し、また戦闘開始! その中で誰かを倒す、何かを手に入れるという小さなミッションを遂行していく。
 画面はチャカチャカと動きが激しいが、さすがに1時間以上見てると段々と慣れてくるし、シチュエーションを工夫もしているので飽きない。お気に入りは高い橋桁を登っていくところで、実にご機嫌ですね。
 本国では画面酔いのせいでヒットしなかったそうだが、確かに三人ぐらい途中で出て行っていた……。

 単純なりにサプライズやオチ、ゲスト出演ティム・ロスなどもあり、さらにシャルート・コプリーの何役もの大活躍も見所。『ロボコップ』オマージュも楽しい。

 メタ的に言うと、ゲームやってて下手なプレイして何回もやり直してると、時々「映画の主人公は、これを一回こっきりでクリアしてるんだな……」と考えたりするのだが、それをゲーム的映画として再現しているかのようなものでした。 二回見る必要はないし、同ジャンルの映画が流行れとも思わないが、体験として一回は見る価値ありですね。