”無こそが最強なり”『ドラゴン・フォー3 最後の戦い』


 シリーズ完結編!


 諸葛正我と鉄手の二人、そして皇帝が父の仇であるということを知った無情は、神候府を去った。彼女を愛しながらも説得の術を持たない冷血もまた、古巣の六扇門へと舞い戻る。冷血を取り戻したはずの姫遥花だったが、密かに巨悪と通じる彼女の心は浮かないままだった……。


 前二作はこちら(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20141220/1419051262)。
 アジアン映画祭やってる真っ只中に公開、ということで、日頃の客層が全然来ないんじゃないかと心配になってしまった。自分も慌てて二週目に鑑賞してきました。


 さあ前回、非常に中途半端なところで終わって猛烈に不完全燃焼だったのですが、今作はその後始末をつけるだけ、ということで、一気に猛ダッシュじゃあ〜!
 リウ・イーフェイさんの無情は前作ラストで袂を分かって離脱中。元上司の死を受けてドン・チョウの冷血は六扇門に出戻り。トップになったジャン・イーイェンの姫遥花を補佐するポジションに……。黒幕の動きがつかめずに後手に回っているところへ、さらなる分断工作が始まる。


 ここで、前回までほとんど出番なしだった皇帝が、お忍びで街に出てきて事態の打開を図る。演じるはアレックス・スー! 『曹操暗殺』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20140430/1398776770)に続いて、またバカ殿役。あれもリウ・イーフェイと共演だったな。今回は暗殺されそうになって現実を思い知り、名君への第一歩を歩み出す役回りですよ。


 前回は重々しかったラスボスがいよいよ動き出し、ジャン・イーイェンさんを使ってどんどん神候府に追い込みをかける! もともと分断されてたのが、偽情報をつかまされてさらに別行動にされ、アンソニー・ウォン含め半分出払ったところで本拠地にも火矢が打ち込まれる!


 婚約発表→婚約者に玉を渡す→ラスボス「この玉に見覚えがあるかな? あの女はもういない! フハハハハ!」


 という流れで、さっきまで幸せアピールしてたアンソニー・ウォンも怒り爆発! 凄まじいオーラでラスボスを倒そうとするのだが、なんとそのオーラを吸い取られてしまうのであった。


ラスボス
「貴様の功力はすべていただいた!」


 功力というのは聞き慣れない単語で、三作目で初めて出てきたような気がするが、まあドラゴンボールにおける「気」のことでしょう。エネルギーの量であり戦闘力を測る指針でもある。
 抜け殻にされたアンソニー・ウォンは敢え無く捕らえられ、頼みの四大名捕もバラバラで壊滅状態。偽の帝を立てて朝廷へと乗り込んでいくラスボス……明日はどっちだ!?


 ここから奇跡の大逆転へつながるクライマックスへ雪崩れ込むのですが、完全にジャンプ漫画の流れであったね。よれよれのはずのアンソニー・ウォンが、いきなり「無こそ最強だ」などと急激にロジックを転換するあたりも最高!
 そして、やっぱり若い頃の深津絵里ことジャン・イーイェンが美味しいところを持っていったぜ! やっぱりこの人こそがヒロインである、という俺の見立ては正しかった……! どうも原作には存在しないキャラのようだが……。


 『2』のモヤモヤを一気に吹っ飛ばす大団円で大満足。いや〜、良かった良かった。『2』と『3』をまとめて公開して欲しかったですね。
 さあ、あとは『TAICHI』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20130820/1376909845)シリーズと『アイスマン』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20150321/1426858515)は無事に完結するのか、そして日本公開はあるのか、気になりますよ〜。